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日記0418あるいは定型の滝

滝の形は変化しているはずだが、私には白い線が常に“在る”ように見える。

「頑張れないことは頑張らない理由にはならないよ」

滝の音が声をかき消してくれるかと思っていたが、ずいぶんと、くっきり、はっきりと耳に届く。

「もっと頑張らせるんだったわ」

ため息さえも、しっかり届く。許してくれ、とも、ごめんなさい、とも思えずに「はあ」と気の抜けた返事。

私は親を置いて、ふらふらと公園まで歩く。

「サンドイッチがおいしかったです」
「ハンバーグがおいしかったです」
「イチゴのパフェがおいしかったです」
「チーズケーキがおいしかったです」
「うなぎがおいしかったです」

楽しかった、美味しかった記憶に星がついていく。

「パンが厚すぎて、中身とマッチしていないと思います。これを美味しいと感じている人は本当においしいサンドイッチを知らないんでしょうね(笑)★☆☆☆☆/1点」

「話がつまらない。ただ変なことを言っていればいいと思っていそうな自己中。世間知らずで済ませられないほど不愉快な人です★☆☆☆☆/1点」

過去が否定されるにつれて、現在も未来もどーでも良くなる。

「がんばれ、すこしくらい」

気づけば駅についていたので、東京へ帰った。

東京へ「帰る」だなんて、何だか変だ。「行く」ではないのか。

「いってきます」

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