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〈生徒会選挙のおもひで〉


給食の時間が訪れた。
お腹ぺこぺこ中学生。
いただきます が響いて次に耳に入る音は、指揮者カラヤンの協奏曲。クラシック。眠たくなる。
悪い気はしないが良い気もしない。
此処は産婦人科か!

と思わせるような東根一中のお昼時間。

唯一音楽が流れる昼食時間をどうにかできないものかと思った中学2年生。

調べてみると、お昼の放送を牛耳っているのは、広報委員会というところらしい。そうか。じゃあ携わってみるか。
と思い立ち、生徒会選挙時、広報委員長に立候補してみた。

体育館に全校生徒が集まった委員会選挙。
広報委員の立候補は自分一人しかいなかった。
確か原稿用紙2〜3枚分程にまとめた想いを壇上で発表した。
制限時間がある中、全部読み終えることが出来なかったのを記憶している。

無投票なのでそのまま広報委員長を引き継いだ。
そこから始まった放送室ジャック。
お昼くらいは好きな曲を聴いて給食を食べたい。
放送室は特別な空間。
教室から抜けて全然違う空間で友達(梅津)と食べる給食はとても楽しくて、とても美味い。

マスター音量のフェーダーを上げない限り漏れない音と、内側から鍵もかけれる防音扉は、ちょっと無敵を味わえた。

リクエストの募集も勿論だが、自分がやりたかったことは、自分の好きな曲を普及することだった、一日の原動力。

放送室で唄ってた。
誰にも迷惑はかけなかった。

授業中、内ポケにMDウォークマンを仕込み、イヤホンを左袖に通し、頬杖ついたと見せ掛けて、黒板を眺めながらメロディを聴いていた。(内緒だよ!)

そんな想い出が今ふと蘇り、思うのは、
政治の仕事って、なーんとなく何処となく、そんな匂いがしする。

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