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仕事を効率化すること#3ースピードアップ 赤井塾8

振り返り 「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件

①顧客と他士業から「選ばれる士業」になること

②仕事を効率化すること

③セルフマネジメントを行うこと

④チームを作ること

前々回から、2つ目の条件である「仕事を効率化すること」に入りました。

効率化の3つのポイント

1. 時間の作り方

2. メモ活用

3. スピードアップ(処理速度を上げる)

今回は、「スピードアップ」について解説をします。

今回の話しは、どうしても少し抽象的になってしまうかもしれませんが、よろしくお願いします。

問題処理(解決)の速度を上げるノウハウ

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ここで、お話しするのは、単なる「事務処理速度を上げるためのノウハウ」ではありません。

仕事をしていて何か解決しなければならない問題が発生した場合に、その問題を処理(解決)する速度を上げるためのノウハウです。

まずは、その問題を解決するための方針(処理戦略)を立てる

要は、ある問題を解決するための、総合的な計画を立てることです。

これは、弁護士の仕事で言えば、事件を処理するにあたっての見立てをするということになります。

すなわち、その問題の本質を捉え、その問題にとって最も適切な結果を考え、その適切な結果を導くため、その結果にたどり着くために考えられる複数の選択肢の中から最も適切な選択肢を選ぶということです。

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これをするためには、仮説を立てて考えることが必要になります。

まず問題の本質を捉える段階で、十分な情報が与えられていれば良いのですが、場合によっては断片的な情報しか与えられていない場合があります。

そのような場合には、その不十分な部分を、「おそらくこうであろう」という仮説によって埋めざるを得ません。

また、結果についても、「おそらく、この結果が最も適切であろう」という仮説に基づかざるを得ない場合もあります。

さらに、結果を導くための選択肢の中から、最も適切なものを選ぶ場面でも「おそらく、この選択肢がベストであろう」という仮説に基づくことになります。

たとえば、コンサルティングをする場面で考えた場合、あるコンビニエンスストアの売上が低迷しており、それを解決する必要があるとします。

この場合、売上が低迷する原因には様々なものがありますが、その全部について検証し、対策を考えていたのではあまりにも時間がかかりすぎます。

そこで、その店の立地や周辺の環境、その店の品揃えなどからみて、その店の見込み客に合った商品を置いていないからではないかという仮説を立てて、これを検証し、その対策を立てていくやり方を取るといったイメージです。

同時併行での処理を可能にする

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このように、仮説を立てて考え、問題を解決するための処理方針を立てるのは、次の、同時併行での処理を可能にするためです。

すなわち、ある問題を解決するために、総合的な計画を立てた際には、通常は、処理すべき複数の問題点が出てきます。

そして、その問題点を1つずつ処理していかなければなりません。

たとえば、ある問題を解決するためには、A,B,Cという3つの問題点があり、それぞれを処理しなければならないとしましょう。

そして、通常であればAを処理し、その結果を踏まえてBを処理し、さらにその結果を踏まえてCを処理するというように順番に処理をしていくことになります。

しかし、それでは、Aが処理できなければBの処理に、AとBが処理できなければCの処理に取りかかることができません。

しかし、その問題を解決するための、総合的な計画を立てている場合には、Aの処理がある程度進み、その処理が思ったようにできる見込みがつけば、Aの処理が終わる前に、Bの処理に着手することが可能になります。

そして、同様にBの処理がある程度進み、その処理が思ったようにできる見込みがつけば、Bの処理が終わる前に、Cの処理に着手することが可能になります。

それぞれの問題点の処理がおよそどうなるのかについては、最初の総合的な計画を立てる際に織り込み済みになっているはずだからです。

逆に言えば、そのようになっていなければ、きちんとした総合的な計画を立てたとは言えません。処理戦略ができているというのはそういうことです。

このように初めに、しっかりと総合的な処理の計画を立てていれば、Aの処理をしながらBの処理を、Bの処理をしながらCの処理をするというように同時併行での処理をすることが可能となります。

これをもっと進めれば、Aの処理がある程度進み、その処理が思ったようにできる見込みがつけば、Aの処理が終わる前に、Bの処理に着手し、Bの処理がある程度進み、その処理が思ったようにできる見込みがつけば、A,Bの処理が終わる前に、Cの処理に着手することが可能になります。

このように同時併行での処理が可能になれば、処理速度が格段に上がります。

上手くいけば、A→B→Cと順番にやっているときと比べて、3分の2どころか半分の速度で処理することも可能となります。

ただ、仮説を立ててやっていることであるので、仮説が実際のところとずれていることが分かれば、その都度、修正が必要になります。

この修正の幅が大きくなれば、処理速度が落ちますが、修正の幅が微調整の範囲であれば、処理速度にそれほど影響はしません。

なので、初めに問題を解決するための方針(処理戦略)をいかにしっかりと作るかが重要になります。

私は、仕事で事件処理をする際、実際にこのやり方を取り入れています。

そのおかげで、他の弁護士よりも速く事件を処理することができています。

これは、士業としてやっていくうえで、差別化という意味でも、経営面でも、私の大きな武器になっています。

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ただ、このやりかたをする場合には、他責的な発想は捨てて、全て自責的な発想でやっていく必要があります。

具体的には、相手のあることであっても相手のせいにはしない。本来なら相手がやるべきことであろうが、場合によってはこちらでやってしまうぐらいの考えと行動力が必要です。

全責任は自分が負うという覚悟が必要となりますが、その効果は、絶大です。

私が短期間で売上を伸ばし、実績をより早く積み重ねてくることができたのは、この仕事のやり方を実践してきたからです。

まとめ

今回は、「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件の2つ目、「②仕事を効率化すること」のうち、「スピードアップ(処理速度を上げる)」についてお話しました。


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