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仕事を効率化するための時間の作り方-早起きと細切れ時間の活用 赤井塾19

以前、「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件の2つ目、「②仕事を効率化すること」のうち、「時間の作り方」についてお話しました。

今回は、上記記事でご紹介した早起きと細切れ時間の活用について深堀りします。

既にお伝えしているとおり、時間が足りないと、今後のことを考えられない、事務所経営のことを考えられない、新しい分野の勉強ができないなど、日々の業務に追われて、現在の環境変化についていけず、現状維持すらままならなくなります。

早起きについて

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早起きについては、病気や体質等で避けた方が良い方以外には、もれなくお勧めをしています。

私も、元々はかなりの夜型でした。特に、司法試験の受験生時代などは完全に昼夜が逆転した生活をしていました。

そして、過去に、早起きについての書籍を読むなどして、何度か早起きに挑戦したことはありましたが、ことごとく失敗していました

失敗の原因は、少し継続できないだけで、とにかく直ぐにあきらめてしまっていたからでした。

そのような私が、どのようにして早起きができるようになったかをお話しします。

私の場合、まずは起きる時間を午前5時に設定しました。

午前6時だと、特に早起きというわけではなくても普通に起きている人が大勢いて、早起きしているとまでは言いにくく、かといってさすがに午前4時だと早すぎるので、自分が早起きをしていると思える時間である午前5時に設定したのです。

そして、いくつかの目覚ましを使って、とにかく午前5時にベッドから出るようにしました。

始めたのが、2月であったため、まだ外は真っ暗なときに起きることになりました。

正直、初めの2週間はただ起きているというだけの状況でした。

ベッドから出て、着替え、コーヒーを飲んでゆっくりと朝刊を読むなどしていましたが、読みながらウトウトしてしまうこともしばしばありました。

しかし、1か月もすると、身体が次第に慣れてきて、新聞以外にも、これまでに時間がなくて読めなかった本を読んだり、録りためていた映画を観たりすることができるようになり、早起きした朝の時間を活用することができるようになっていきました。

つらかったのは、前夜に飲み会などがあって就寝時間が遅くなってしまったときでしたが、それでも起きる時間は変えませんでした。
午前2時まで飲んで帰り、午前3時に寝て2時間で起きるなんてこともありました。

基本的には、休みの日でも起きる時間は変えませんでした。
ただ、睡眠不足が重なっているときには、いったん5時に起きてあれこれしてから、昼寝をするようにしていました。

そうして半年も経つと、習慣になり、5時起きが苦ではなくなりました。

このころには、休日には無理をしてまで5時に起きることはやめるようにしていましたが、それでも遅くとも6時半までには起きるようにしていました。

ここであまり遅くまで寝てしまうと、休み明けに5時に起きた際に、海外旅行のときに生じる時差ボケと同じような症状になってしまうからです。

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そして、このころから、早くに家を出て、午前7時過ぎには事務所に着いて、仕事をするようになりました。

これには、本当に画期的な効果がありました。

まず、朝は睡眠によって脳の疲れが取れていて頭がすっきりしており、しかも電話や来客などによって邪魔が入ることもないので、非常に作業がはかどり、書面の作成などの作業は、早ければ事務員さんや他の弁護士らが出所してくる前に、遅くとも午前中には完成してしまうようになりました。

そして、時間に余裕ができ、スケジューリングがとてもやりやすくなりました。

その結果、ほぼ毎日、午後5時には帰れるようになりました。

仮に、やり残しの仕事があったとしても、そのまま残って疲れた頭でやるよりも、明日の朝からやった方が良いと考えられるようになり、かつ、自分が明日も早起きをして必ず明日の朝一からできると信じられるようになったので、仕事をきっぱりと切り上げて帰ることができるようになったのです。

こうして、クライアントの都合でどうしても午後5時以降や休日に打ち合せ等をしなければならない場合を除いて、仕事は原則として、平日の午後5時までしかやらないと決めました。

このように私の場合には、仕事をそれ以前より効率的にできるようになっただけではなく、その速度も精度も上がり、しかもライフワークバランスも取れるようになり、早起きするようになったことで良いことずくめの結果となりました。

私は、このような早起き生活を既に15年以上続けています。
副次的な効果としては、夜遅くまで起きていることが減り、朝が早いので夜ベッドに入ると直ぐに眠れるため、寝る前にクヨクヨと余計なことを考えることがなくなり、物事を前向きに考えることのできるプラス思考になりました。

細切れ時間の活用について

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細切れ時間の活用ですが、これも早起きの効果の一つと言えます。

やり残しがあろうと午後5時には仕事を切り上げてしまうことから、それまでの時間については、できるだけ無駄なく使おうという意識を持つようになりました。

そこで、まず始めたのが、裁判から帰ってきたとき、次の予定までに空き時間があれば、その間にできる作業をすることでした。

それは、裁判の報告書を作るとともに、気がついたことなどをメモにまとめ、次回提出する書面があればできるところまで作っておくというものでした。

報告書はクライアントに送るために必ず作るものであり、そうであれば少しでも記憶が鮮明なうちに作る方が正確なので、早めに作るようにしました。

当たり前と思われるかもしれませんが、意外とやっている方は少ないように思います。多くの方は、裁判から帰ってくると、次の予定までは少しゆっくりとして、その日の来客等の予定が全て終わってから作成をされているようです。

気がついたことのメモについては、その日の裁判で気がついたことなどをメモするだけのことなのですが、これがその後の書面作成や尋問に大いに役立ちます。

しかし、これも、意外とやっている方は少ないように思います。

これなどは、気がついたときに書き留めておかないと、すぐに忘れてしまい、もう一度思いつくかどうかすら分かりません。

そして、このメモがあるかないかで、後日の書面作成や尋問の準備にかかる時間が大きく異なることもあるのです。

次回提出する書面をできるところまで作っておくというのは、ほとんどの方はやっていないと思います。

次回に提出する書面のタイトル等の定型書式部分の作成、章(項目)分けといった構成、各章(項目)のポイントの箇条書きなど、その時点で作れるところまでを作っておくだけのことです。

これも裁判が終わったばかりの方が簡単にできるうえ、これによって、トータルの書面作成時間が大幅に短縮できます。

ほとんどの方は、どこかでまとまった時間を作って、この書面を一から作られますが、このまとまった時間を作ることはなかなか大変なことです。

このような細切れ時間を活用するコツは、既に述べているところですが、その作業を、一度に完成させてしまおうとしないことです。

その細切れ時間の範囲内で、できるところまでやっておく、その時点でとりあえず揃っている情報や資料の範囲でやるというように、完璧主義を捨て、一度に完成させてしまおうとしないのがコツです。

このような細切れ時間の活用も、塵も積もれば山となるで、時間を作るという効果はかなりあります。

また、単に時間を作れるというだけでなく、経験や記憶の鮮明なうちに作業をすることで、正確性を担保できたり、大切なポイントを取りこぼすということがなくなるといった作業の精度を高める効果もあります。

まとめ

「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件として、既にお伝えしたテーマの中から、深掘りをしました。
今回は、仕事を効率化するための時間の作り方として、早起きと細切れ時間の活用についてお話しました。

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