顧客と他士業から「選ばれる士業」になること#2ーセルフブランディング 赤井塾4
振り返り 「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件
①顧客と他士業から「選ばれる士業」になること
②仕事を効率化すること
③セルフマネジメントを行うこと
④チームを作ること
そして前回から、「①顧客と他士業から『選ばれる士業』になること」についてお話しています。
「選ばれる士業」になる方法は、 次の3つです。
1.差別化すること
2.セルフブランディング
3.適切な情報発信
前回は、1の「差別化すること」についてお話しました。
今回は、2の「セルフブランディング」についてお話します。
セルフブランディングが必要な理由
私たち士業は、専門的なサービスを商品として提供していますが、それを顧客に対して直接提供しています。
そして、サービスは目に見えませんが、それを提供している人間(あなた)は、目に見える存在です。
よって、顧客や顧客を紹介してくれる他士業は、必ず、あなたという存在を見ています。
そして、顧客や顧客を紹介してくれる他士業は、提供されるサービス内容だけでなく、あなたという人間を見て、あなたを選ぶかどうかを決めています。
そういう意味で、士業は、自分が提供するサービスだけでなく、自分自身もまた商品なのだと認識すべきです。
このように士業は商品である自分自身の価値を高めて、顧客や顧客を紹介してくれる他士業から選んでもらわなくてはなりません。
そこで、必要となるのが、セルフブランディングです。
第一印象について
まずは、見た目
最低限、清潔さとTPOをわきまえた外観を常に保ちましょう。
別に高級品を身につける必要はありません。
特に私は、靴はいつも綺麗にしておくべきだと考えています。
いくら高級そうな靴を履いていても、それが汚れているのを見ると、その人がだらしなく思えてしまいます。
逆に、高級そうな靴でなくても、綺麗に磨かれた靴を履いているのを見ると、その人が几帳面な人のように思えます。
そして、できれば他人に印象づけられるような外観上のポイントが1つあると、それだけで覚えてもらいやすくなり、有利です。
それは何でも構いません。
いつも同じ形の帽子をかぶっているとか、いつも同じ系統の色でコーディネートされているとか、私の場合で言えば髪型とか、その人のトレードマークとして認識してもらえるようなものです。
ただ、注意すべきは、そういったポイントは1つにしておくということです。
2つも3つもとやると、印象に残るとしても、くどくなって嫌悪感をもたれたり、敬遠されるおそれがあります。
話し方も大切
相手を尊重していない、無礼な話し方は絶対にやめましょう。
私は、基本的に、相手が誰であっても丁寧な言葉を使うようにしています。
年長者に対してはもちろんのこと、年下の人に対してもそれは変えません。
以上の2つが、その人の第一印象を形作っていると思いますので、意識してみてください。
自分自身に付加価値をつける
自分が他士業の先生を顧客に紹介する場合に決め手とするものを考えてみてください。
当然第一には、顧客の求めているサービスについての専門家であることです。
しかし、同じ専門的サービスを提供できる人が複数いる場合、しかもその中に特に親しい人がいない場合、おそらくそれ以外の何らかの要素でその中の1人を選んでいるはずです。
前記の見た目、話し方もその1つでしょう。
そのほかには、前回に述べた付随的サービスの良さというのもあるでしょう。
それ以外のものとしては、経歴、肩書きなどが考えられます。
大学の非常勤講師をしている、していたとか、それぞれが所属している士業組織の理事者をしている、していたなどというのも選ぶ理由になりそうです。
テレビに出ている、出ていたなんていうのも非常に分かり易いものです。
ほかにも、書籍を出版しているというのも分かり易いものです。
これらは、顧客に紹介するときに、「~をしている有名な先生」という便利な台詞が使えるものだからです。
それ以外にも、よくセミナー等で講師をしているとか、交流会や勉強会を主催しているなどというのも、選ぶ際に考慮する付加価値になります。
前記のようなテレビに出るとか書籍を出版するというのはハードルが高いと感じる人であっても、セミナー講師ぐらいであれば、やっている人は結構いるはずです。
また、交流会や勉強会の主催は、やる気さえあれば、誰にでもできます。
このように自分自身に付加価値をつけるためには、色々な経験をすることが重要です。
何かオファーがあれば、面倒くさがらずに引き受けましょう。
また、自分から積極的に交流会や勉強会を主催しましょう。
なんだったら、自分でセミナーを開催しても良いのです。
私は、出身大学の学部やロースクールで非常勤講師をやらせてもらったことがあります。
これらは決して割の良い仕事ではありませんでしたが、何事も経験だと考えて、オファーがあったときに断らずに引き受けました。
また、テレビドラマの法律監修を10年以上やっていましたが、これもオファーがあった際に、何のノウハウもないままに、何事も経験だと考えて引き受けました。
書籍の出版は、自分から周囲に「やりたい、やりたい」と触れ回って、その機会を得ました。
勉強会は、弁護士として独立した直後から、数多く主催してきました。
セミナーはオファーがあれば、全て引き受けてきました。
そうやって、色々と経験を積み重ねていくうちに、それが付加価値となり、弁護士赤井勝治というブランドを形作っていったのです。
もちろん、自分でもセルフブランディングということを意識していたことはいうまでもありません。
まとめ
今回は、「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件の1つ目、「顧客と他士業から『選ばれる士業』になること」のうち、「セルフブランディング」についてお話しました。
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