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チームを作ること#4ー経営戦略の士業チームを作り、活用する具体的方法    赤井塾15

振り返り 「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件

①顧客と他士業から「選ばれる士業」になること

②仕事を効率化すること

③セルフマネジメントを行うこと

④チームを作ること

今回は、4つ目の条件である「チームを作ること」のうち、「経営戦略の士業チームを作り、活用する具体的方法」について解説をします。

士業経営の特殊性

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士業は、資格を持ち、その資格に基づくサービスを提供するサービス業の一種ですが、他のサービス業とは異なる点が少なくありません。

まずは、費用のうちで固定経費の占める割合が高い点です。

固定経費のうち典型的なものが自宅以外に事務所を賃借していればその家賃や水道光熱費、そして人を雇っていればその人件費です。
この2つが経費のほとんどを占めるといっても過言ではありません。

従って、自宅で人を雇わずにやっていれば、それほど経費はかからず、そのような経営形態をとることも可能です。

次に、特に仕入れといったものがないため、売上に応じた変動経費はほとんどかかりません。
従って、売上が増えていくと、そこから固定経費を控除した残りのほとんどが利益となり、重い税負担を強いられることになります。

また、収益については、顧問料を主な収入源とする税理士、社会保険労務士のようなタイプと、スポットの事件による報酬を主な収入源とする弁護士、司法書士など様々です。

このような特殊性から、士業については、士業独自の経営戦略というものが必要となりますが、そのような特殊性を考慮した経営戦略を教えてくれる媒体はほとんどありません。

士業の経営戦略

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私たち士業は、独立してやっていく際には事業主であり経営者です。

ただ、私の見る限りでは、明確に経営者という感覚をもって経営にあたっている方はそれほど多くはありません。

士業が経営において考えるべきことは、前記の士業経営の特殊性や士業ごとの特徴、さらには各自の置かれている環境やステージによって様々です。

この点、人を雇わずに自宅で一人でやっていようが事業である以上は、何らかの戦略をもって臨むべきです。

でなければ、場当たり的な運任せの商売になってしまい、安定的な収入や事業としての成長は望めません。

このように、そもそも何らかの経営戦略をもって経営にあたっている方はほとんどいないうえに、得てして一人きりでの経営は独りよがりで独善的なものになりがちです。

経営戦略のチーム

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私は、独立して数年後から、他士業の先生方と一緒に「経営戦略会議」というものを始め、現在まで継続しています。

独立してみると分かりますが、よく言われるように経営者は孤独なものです。

売上があがらない、経費が管理できない、今後どのように事務所経営を展開していけば良いのか分からないなど、日々様々な悩みを抱えることになります。

しかし、それを気軽に相談できる相手はなかなか周囲にはいません。

同業者とも雑談程度には経営の話もするでしょうが、商売敵ということもあって、売上がいくらであるかなど自らの経営状況をオープンにすることは難しいと思います。

また、経営コンサルタントを依頼するという手もありますが、そもそも士業に特化したコンサルタントというものがあまりあてにはなりません。その上、そのコンサルフィーはかなり高額です。

私は、偶然ということもありますが、独立して数年後から、他士業の先生方と一緒に「経営戦略会議」というものを始めました。

独りよがりになりがちなところに外部から忌憚のない意見をもらえ、また自分の業界の既成概念にとらわれない新しいアイディアのヒントをもらえるなど非常に有益です。

のみならず、経営についての話を気軽に相談できる仲間がいるというだけでなく、メンバーが切磋琢磨してみんな成長していくことができます。

メンバーの人選・メンバー集め

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このような経営戦略の士業チームを作るにあたって、どのようなメンバーを選ぶべきかですが、できれば経営者として同じステージにいて、同じ思いをもっている方が良いでしょう。

私の場合には、独立してからまだ数年程度で、これから売上を伸ばして経営を安定させていきたいという方々がメンバーとして集まりました。

また、メンバーは、前向きで向上心の強い方を選ぶべきです。

そうでないと、建設的な話ができずに、後ろ向きな話や愚痴を言い合うだけの集まりになってしまいかねません。

そして、できれば定期的に集まって、メンバー各自が恥ずかしがらずに自分自身の経営状況を開示し、他人の意見を素直に聞くという態度で臨むべきです。

また、自分たちよりも経営者として少し先を行っている方やマーケッターなどの専門家にメンターとして入ってもらうのも良いと思います。

私は、現在でも「経営戦略会議」を続けていますが、メンバーは全員が経営者としての行動を意識することで確実に成長しています。

そして、常に、経営戦略を考えながら、経営にあたることで、全員が始めた当初と比べれば売上を増やしただけでなく、着実に目標を1つずつ実現していっています。

まとめ

今回は、「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件の4つ目、「チームを作ること」のうち、「経営戦略の士業チームを作り、活用する具体的方法」についてお話しました。


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