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カレー魔人が現れた

 ラーメン屋を開業するため、仕入れた鍋を磨いていたら魔人が現れた。
 しかも、ラーメンの魔人ではなく、カレーの魔人。
「かっかっかっカレー。わたしはカレー魔人。あなたが私のご主人様ですかれー?」
 笑い方と語尾が……。
「かっかっかっカレー。さて。ご主人様。あなた様の願いを三つ叶えてあげますカレー」
「え、マジで!」
「マジカレーです。あなた様が食べいカレーをなんでも言ってください。何時間も並ばなきゃ食べられないカレーもすぐに食べらるカレー。例えば……」
「え、ちょっと待って。願いはカレー限定?」
「はいカレー?」
「なんでも願いを叶えてくれるわけじゃ……例えばお金持ちにしてくれたり」
「あぁ、それは専門外っすね。おれ、カレー魔人なんで」
 おい、口調変わってんぞ。語尾のカレーどうした。
「オホンッ。さて、どんなカレーを食べたい? カレーに関する願いならどんな願いも叶えよう」
 ……カレー関する願いってなんだよ。できたらラーメンの魔人のほうが良かったわ。そもそもカレーあんま好きじゃないし。
「あ、そうだ」
 これは閃いちゃったかも?

「ここが昨年三つ星を獲得したカレー屋さん。MAJINです。見てください! すごい行列です! 少しオーナーの話を聞いてみましょう」
 カレーの魔人には最高に美味いカレー屋さんを開店させること。カレー魔人に店を切り盛りさせてもらうこと。この二つ願いを叶え、今大人気のカレー店となった。
「はは、わたしにはカレーの魔人がついているのでね。他の店には負けませんよぉ」
 さてさて、残り一つの願いは何にしようか。

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