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#7-04 明日は明日の風が吹く 『風と共に去りぬ』


岩波文庫の全6巻をやっと読み終わりました。

5月から毎回図書館で一冊ずつ借りて、少しずつ読み進めました。思いのほか時間がかかってしまったのですが、いま思い返せば、とても大切な時間でしたので、忘れないうちに思うところを記録しておきます。


アメリカの歴史と文化


本書の背景には南北戦争期のアメリカが複雑に絡んでおり、全てを理解しきれているなんて、恥ずかしくて絶対に言えません。注釈の内容も難しく、いつも傍らにスマホを置いて読み進めました。

それでも、大学2年の必修で『アメリカ文化概論』を履修したことが、6年以上経ってここで活きて来るとは思いもしませんでした。
ありがとうございますO先生。

本来ならば、この本はあの頃に読んでいるべきでした。
過去をいま清算したような、なんだか清々しい気持ちはここからきているような気がしています。


本書はアメリカで聖書の次に売れている本と言われていて、の女性が最も読んでいると言われている恋愛小説なのだそうです。
それ以前に、これは恋愛小説なのですね。ロマンスの要素がかなり強いことは否定できないのですが、それでも、ただの恋愛小説として括るのにはなんだか抵抗があります。


スカーレットあれこれ

スカーレットの生き様について、皆さんはどう思われるでしょうか。

ためしに先に読了していた祖母(80)と電話で議論してみました。

祖母は
・スカーレットはわがまま過ぎる
・周りの男性たちがかわいそう
と話していました。

わたしの思いは、それとは違う気がします。
スカーレットのことを考えると、なぜだかディズニープリンセスを思い出します。
それも白雪姫やシンデレラではなく、ジャスミンやラプンツェル、エルサといった、自分のおかれた状況から脱却するために、意志を持って行動するプリンセスたちの方です。

困難とまとめるには困難すぎる時代にあって、コミュニティからの同調圧力や社会通念に囚われず、自ら行動することを諦めなかった女性として、あまりに強く、あまりに美しく映りました。

もちろんスカーレットが常に正しかったかというとそうではないようにも思うのですが、常に正しくないことは人間であれば誰にでも当てはまることです。


『風と共に去りぬ』あれこれ

本作を原作とした映画や、批評する書籍も数多く存在しています。


こちらにも目を通せば、視野が広がり、また違った意見が自分の中に生まれてくるのかもしれません…
何かが見つかったときにまた、書いてみようと思います。

全6巻読み終えてしまいましたが、これは終わりではなく、ここからまた新たに始まる「何か」があるように思え、なんだか胸が高鳴ります。


Gone with the Wind

Tomorrow is another day. 
明日は明日の風が吹く。明日のことは明日考えよう。


風と共に去っていくのは何でしょうか。


「今日」かもしれません。


いまどうにもならないことを背負っていても、明日は明日、明日また考えればいい。
毎日は明日の繰り返し。
わたしはわたし、わたしにはできる。
それだけは変わらないから、今日できないことも、いつか必ずできる。


自分を信じていられるスカーレットの強さに、ひたすらに憧れます。わたしにも「何か」を見つけられる「今日」がいつか来ますように。ここから明日を積み上げていこうと思います。

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