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誰にも会わない旅 2020 (5日間)

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令和2年の寒い梅雨の夏の旅
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誰にも会わない旅 5日目。最終日

誰にも会わない旅 5日目。最終日

郡山の夜はなんだか雰囲気が物騒だった。

コンビニに来ただけなのに歩みが少し小走りになってしまうので、夜の散歩には向いていない街だと思う。

曇りでも、日が昇り朝は来る。ここを離れる前に歩いて行ける『郡山市歴史資料館』に向かう。Googleレビューの情報があまりない。単独HPが無くても市の施設一覧でもいいが魅力は教えて欲しいところだ。

資料館に向かう道すがら知らない街並みを見て興味をそそられる。

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誰にも会わない旅。4日目。【午後】

誰にも会わない旅。4日目。【午後】

車窓から見えてくるのは海と霧。

東北本線の小牛田駅で石巻線に乗り換えて女川駅を目指した。

震災後に東北出身である母親の友人が石巻に住んでいるので、付き添いでお見舞いに行った。その時に相手が石巻〜女川一帯を車で案内してくれたのでそれ以来だ。

当時でも震災から2年は経っていたが土地の傷は生々しく、地元の人から直に聞く被災状況は想像を越えていた。自宅の二階まで津波が来た話、流れ出た端材で火事が何日

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誰にも会わない旅。4日目。【午前】

誰にも会わない旅。4日目。【午前】

誰にも会わない雨の朝。

連泊しているホテルの部屋からは駅が見える。眠っても深夜にカタタンカタタンと音がすると起きて窓から貨物夜行がゆっくりと走っていくのを眺める。夜行列車が好きなのだが特に理由はない。もちろんこの場所からは新幹線も見えるのだが、貨物の方がより音に情緒があって良い。これだけでも得をした気分で過ごせるので我ながら安上がりな人間だと思う。

本日は南下する予定だが中尊寺には寄っておきた

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誰にも会わない旅。3日目。

誰にも会わない旅。3日目。

誰にも会わない晴れた朝。

本当に今年の7月の雨は長い。久しぶりの晴れに心浮き立つ。

東北は仙台まで来ると、人は多いが密でなく感染に対する意識の高さが見える。しかし都会から少し離れてしまうとソーシャル・ディスタンスはグダグダだ。車内が空いているからいいけど。

今回の移動では乗車する車両の窓枠もレンタサイクルならハンドル・サドルと触るものは全て除菌シートで念入りに拭いた。ホテルでは買ってきた物は

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誰にも会わない旅。2日目。

誰にも会わない旅。2日目。

誰にも会わない日立の朝。

昨夜ついたホテルはチェックインの際に体温測定と前泊地記入があり、うっかり風邪ひかなくて良かった。コロナ対策でいつも朝食のバイキングは弁当に変更になっていた。出発前にしばし散歩。

日立駅周辺の街は生活感のガヤついた雰囲気はとても薄くスッキリとして架空の都市のようである。かと思えば古い銭湯も残っていて元々の街の姿が分かりにくい。ただ企業の城下町である事は間違いない。街名と

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誰にも会わない旅。1日目。

誰にも会わない旅。1日目。

誰にも会わない旅に出る。

それはいつもだが、より人気のない場所に行く。不要不急と言われればそれまでだが、普通の暮らしで冠婚葬祭以外の必要な旅など一体どこにあるのだろうか。

今回はなるべく都内を通らずに全線開通した常磐線を北上するのだ。まずは千葉に移動開始する。訪れる度に思うが千葉の中心街の雰囲気は何となく薄めた池袋テイストがあると思うがどうだろう。しかし千葉を濃くした所で池袋にはならないのだ。

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