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見えないもの 消えゆくもの

音楽の特徴は、今、この瞬間にしか存在せず、常に次の瞬間に過去と消えてゆき、形のないこと見えないこと。そして、聞いた人の記憶の中に記録されることにあると思う。(楽譜は可視化された音楽ともいえるし、残るけど)


あと、聴覚は暴力的で、フォーカスしなくても、意識しなくても刺激として、耳から脳に入ってくる。これは、絵画や彫刻といった所謂美術作品との大きな違いだと思う。

鉄を使った作品を発表している友人が、僕らが作るものは、意識して見ようと思う人の目にしか入ることができない。それは画廊や美術館やスペースが必要だし、そこに在るだけでは気づいてもらえない。その点、音楽はどこに居てもどこで演奏しても、風に乗って空気の振動に乗って人の耳に届くのが羨ましい。というかズルいとすら感じる!と冗談半分本気半分話していた。

藝大が音楽と美術に敷地が別れているように、アートはざっくり分けて音楽と、美術に二分されると思う。

どちらにも、どちらにはない欠損があって、多分その欠けているところが最大の魅力で、陰と陽のように表裏一体なんだと思う。

鉄、絵画、陶芸、ガラス。もの扱うアーティストの友人は多いけど、好きになるのは圧倒的にミュージシャンだ笑。偶然か奇遇か。そして友達とは繋がって長く関係が続くけど、好きになった人とは、好きなのにうまくいかないで関係は過去に結び目を作る。

何かを演繹するほどの経験値はないけれど笑、個人的には、見えないもの、消えてなくなるものに、願いを託そうとするミュージシャンのロマンチックなところに惹かれるのかなと思う。

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