2018年12月にプロジェクトが採択され、2021年の打ち上げに向けて本格的な開発がスタートした超小型衛星「KOSEN-1」。高知高専を中心に、新居浜高専を含めた全国10校の高専が、役割分担しながら開発を進めた衛星でした。新居浜高専での開発を主導した一人が、2020年に新居浜高専・電気情報工学科に着任した今井雅文さんでした。
アイオワ大学の研究員だった当時から、NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機「Juno(ジュノー)」プロジェクトに参加するなど、木星研究の分野では気鋭の研究者として知られる存在だった今井さん。新居浜高専に着任後は、「研究者」という顔に加え、学生を指導する「教員」という顔も持ちながら、「KOSEN-1」への関わりは続きました。
人々の日常生活を大きく制限した「新型コロナウイルス感染症」の急拡大がちょうど始まった2020年春の、新居浜高専着任。打ち上げ予定までは、残り約1年半。学生と議論を深めつつ、「KOSEN-1」については実際のモノづくりも納期通り進めないといけない。そんな中で大きな推進力になったのが、プロジェクトに参画した学生のやる気でした。
別のところでインタビューを紹介している、2020年度の高専卒業生・秋葉祐二さん。本人曰く「クラスでも決して成績は良くなかった」とのことですが、卒業研究で今井研究室の配属となり、プログラミングや木星電波のことなどを一から勉強・吸収しながら、一年間の濃密な開発の日々を過ごした学生さんです。
最終学年となった2020年は「KOSEN-1」の他に、大学編入試験など多忙な日々を過ごした秋葉さん。
今井さんは、そんな秋葉さんとの思い出を、こう語ります。
今井さんのインタビューを元にしたエピソードはこれもあります。