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子供の脳科学の視点からの「マスク」について

数日前にとても貴重なお話を聞きました。
京都大学大学院教授の明和政子先生のお話です。

明和先生は脳科学者でいらっしゃって
文部科学省の学術審議委員もなさっておられる先生です。

「就学前の子供の育ち」を
脳科学の観点からお話してくださいました。

様々なお話を聞かせていただいたのですが
その中でも衝撃的だったのは
子供の脳神経細胞は刺激を受けた他の神経細胞とつながって
ネットワークを作りながら発達していくのですが
あまり使うことがない脳神経細胞はネットワークを組むことなく
刈り込まれて消滅していってしまうということでした。

今回、先生が一番心配しておられてのは
既に海外では問題が明確にされている
コロナ禍でのマスク環境が子供達の脳発達に与える影響でした。

つまり
表情が乏しい、相手の表情、感情が読めない子供が増えているということ。

実際に目の前の人の表情を目で見て感情を共有することで
視覚から目の前の相手の感情を読む
または真似をして感情を共感する
(同じように口角を上げてみることで楽しい気分になる経験など)
ということができるようになる神経細胞がつながっていきます。

そしてこの視覚や聴覚それに伴う感情を育む脳のネットワークは早くに完成し
7〜8歳くらいまでにネットワークが繋がらなかった部分は刈り込まれて
消滅してしまうとのことでした。

赤ちゃんは6ヶ月少し前くらいから
目の前の人の「口元」を見ながら真似したり
表情や感情を認知していくことがわかっているようです。

大人のように相手の目や雰囲気を見て
表情を読み取ることは子供にはできません。

だから子供達に
口元を見せてあげるというのはとっても大切なことなんですね。
表情から感情を読み取るネットワークを作るためです。

大人はなんとなく目が笑っているようであれば
「あの人は笑ってるんだな」とか判断ができるのは
マスクなしで会話をし、人の表情を見て学んでいた時期を
7〜8歳までに過ごして
その部分の神経伝達ネットワークがつながって予測しているということです。

このお話を聞いて、皆さんは何を感じるでしょうか?

もちろん、お家の中ではマスクをはずしてますもんね。
そんなにすごく心配はしなくていいかもしれません。

でも、保育園や幼稚園に通うお子さんは24時間のうちそのほとんどを
マスクをした大人の顔を見て過ごすことになります。

表情を読み取るコミュニケーションの力を育てる大切な時期。
どうか、子供達に豊かな感情の共感ができる社会になりますように。

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