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リーキーアテンションとは?

本を素通りする

私も、目は先に進んでいるけど、いつの間にか本の内容が頭に入ってこなくなっているときがあります。
頁をめくるころに気づいて、また読み直します。

授業中とか、テレビを見てるときとか、なんなら人の話を聞いているときにも最初は見てた/聞いてたのに、途中から内容が入ってない経験もありました。
その間なぜか別のこと考えちゃうんですよね。

だから映画なんかは集中モードで観るようにします。
そうしないとお金払っているのに途中からついていけなくなっちゃいますからね。

リーキーアテンションの研究

上記の投稿の返信を見ていて、「リーキーアテンション」という単語を見つけました。直訳するなら「注意力漏れ」ですね。
あるあるな現象にはだいたい名前がついている説!

「リーキーアテンション」という用語の出典は、ノースウエスタン大学の研究に基づいているらしいです。
Zabelina D, Saporta A, Beeman M. Flexible or leaky attention in creative people? Distinct patterns of attention for different types of creative thinking. Mem Cognit. 2016 Apr;44(3):488-98. (記事はこちら

この研究では、創造性の二つの尺度を用いて、注意力との関連を調査しています。

発散型思考(divergent thinking)の実績
限られた時間内に与えられた問題に対する複数の解決策を見つける能力を評価する発散的思考の実験室テストでの成功した成績

創造的達成(creative achievement)の実績
生涯にわたる人々の創造的な業績の調査によって評価される人々の現実世界での創造的な業績

イメージとしては、科学的な創造と、芸術的な創造といったところでしょうか。
実験内容の説明は割愛しますが、最終的に下記のような結論を導き出しています。

創造的達成はリーキーアテンションと関連し、一方、発散的思考は選択的でありながら柔軟な注意と関連している可能性がある。

もっと詳しく

リーキーアテンションは創造性の高い証拠!と、単純に結論付けられるわけではありません。
創造性と注意力の関係において、
発散型思考者と創造的達成者ではアプローチが異なるようです。

発散型思考者は、むしろ注意力を上手に切り替えられるようです。

発散性の高い思考者は、必要なときに、合図されたレベルの情報を素早く処理し、そこから素早く離脱し、そして/または他のレベルに素早く移行することに長けている。言い換えれば、手がかりとなる情報への選択性は高いが、注意の捕捉力はそれほど強くなく、持続性もない。

一方、気が散りやすいタイプの創造者が、どのように創造力を発揮しているのかというと、認知的コントロールがカギになるようです。

もし創造的達成度の高い人たちの注意力が本当に漏れやすく、選択的注意の標準的な実験室テストにおいて、達成度の低い人たちよりも劣っているのだとしたら、彼らが最終的に新しい作曲や独創性の高い絵画につながるアイデアや行動を持続できるのはなぜなのだろうか?
一つの可能性は、現実世界で創造的な成果を上げている人は、必要なときに注意を維持するために、より多くの認知的コントロールを発揮することを学んでいるということである。リーキー・アテンションが代替焦点の検出に有効で、切り替えが早いのに対し、認知的コントロールは切り替えに時間がかかる。

これに関しては今後の調査が必要だと書いてあるので、詳細なことはわかりません。

ただ、自分の認知をコントロールするという事なので、ここぞというときに腰を据えて集中できるように整えるということでしょうか。
ひらめきを得たあとに、それを具現化するためには注意が散らないような環境に身を置くべきなのでしょう。


そもそもふと別のことに意識が向いてしまうなんて、誰にでもある気がします。
つまり誰でも潜在的には創造の力を持っている。

このあたりは、程度の問題でしょうね。
本当に一つのことになかなか集中できない人もいるでしょう。
注意を柔軟に切り替えられない人もいる。
創造性を発揮するために、自分の特性を理解することも大事なんじゃないかと思います。


お読みくださりありがとうございました!

こちら博士論文を書き上げるために、がんばっております。

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あかちゃん


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