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特別研究員の採用率が低い件について

特別研究員の雇用制度

特別研究員が昨年度から、一部の受入機関で雇用関係を結べるようになったというのを知りました。

これはけっこういいんじゃないでしょうか?

これまで特別研究員といえば、まあまあ収入は得られるけど、
日本学術振興会と雇用関係を結ぶわけではない、つまり社会保障とかない身分だったんですよね。
個人的にはけっこうそこは気になっていたので、
特別研究員の身分のままで、受入機関に雇用してもらえるのはいいことのようにみえますね。
どうなんでしょうかね。

実際の給与がいくらになるのかとか、
この制度の実情はどんなもんかはわからないのですが、
いろいろと厳しいアカデミアの世界も
少しずつでも改善されている面もあるのでしょう。

特別研究員の採用率

特別研究員にちょっと興味が沸いてきたところで
気になったのが採択率です。

PDの採用状況を見ると、

令和5年度 
申請者合計:1,565名(男1,139名/女426名)
採用者合計:358名(男275名/女83名)、採用率22.9%

令和4年度

申請者合計:1,705名(男1,243名/女462名)
採用者合計:356名(男274名/女82名)、採用率20.9%

令和3年度
申請者合計:1,800名(男1,312名/女488名)
採用者合計:356名(男274名/女82名)、採用率19.8%

令和2年度
申請者合計:1,922名(男1,389名/女533名)
採用者合計:363名(男274名/女89名)、採用率19.6%

平成31年度
申請者合計:2,070名(男1,500名/女570名)
採用者合計:344名(男255名/女89名)、採用率17.3%

だいたい採用率20%ぐらいなんですよ。
え、これって80%は不採択ってことですよね(それはそうだ)

特別研究員の申請というのは簡単な作業ではありません。
研究計画をすごく練り上げて、受け入れてもらう研究者及び機関を見つけないといけません。
書類の準備もそれはもう大変です。

そこまでがんばった人間を80%は拾わないんですか…
そのまま手放すんですか…

申し込みがきた時点で全員支援したい気持ちでいっぱいになりませんか?
ならないですか…世知辛い(笑)

大変で辛くてあんまり褒められることもないしむしろ厳しい批判を受けるかもしれないし研究職は大して稼げないし別に偉くもなれないしモテないし、
そんな茨でしかない研究の道に若者が挑んでいるというのに……!

毎年350人程度なのは予算によるんだと思いますが、
にしても採用される人数少ないですよね。

大学のポストもそうですが、
研究者はいつも厳しい競争にさらされているなと思います。

研究者ってそんなに社会的に需要ないんですかね…

なんだか悲しくなっちゃいますね。

申請者の減少

ていうか、特別研究員の申請者年々減っていってません…?
平成31年は2070人だったのに、令和5年は1500人まで減っている

毎年ほぼ100人単位で減ってますよね。
なんでなんでしょう?

博士の院生の総数が減っているのでしょうか。
にしても、この幅は結構大きい。

学位をとれる博士課程の学生が減っている可能性とかあるんですかね。

私自身、そんな狭き門にそもそも挑戦しようとも思いませんが、
特別研究員の申請に後ろ向きになっている人も多いのでしょうか。

冷静に考えて勝率の低い戦いに挑みたくはないです。

令和5年度から前述の雇用機関の制度が始まっていて、
けっこうそれはポジティブな改善だと思っているので、
今後の動向は気になりますね。

研究をすることで収入を得られる場がもっと増えるといいなと思います。
学問は社会において絶対に必要なはずなのに、そういう環境はまだまだです。

私なんて、手取り20万いかなくてもいいから、
論文を書くことに専念したいと思っているくらいですもん。

がしかし、現実は全然甘くありません。


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