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だまされて嬉しい嘘

高校時代の嘘の思い出

折り鶴の理由

高校3年生の冬の話です。
ちょうど受験期、センター試験目前。
私も受験勉強に励んでいました。

そんな時期の放課後、私は友人を探していました。
探していた理由は覚えていないのですが、学校に通っていたら日常的に人を探すことぐらいありますよね、うんうん。

空き教室にいるという情報を得て、向かいます。
…いました!
満足げに話しかけます。

用事を伝えた後、気になることがあるので、訊ねます。
その教室では、何人か集まって、折り鶴を折っていたのです。
私は何のために折っているのか聞きました。

友人は、「K先生に頼まれて、幼稚園にあげるやつなんだよ~」と説明してくれました。

文章読んでる方、この理由よくわかんないですよね。
幼稚園に鶴を贈るシチュエーション、謎すぎます。

でも当時の私は、「へ~」と何も疑問に思わず、なんなら手伝いがてら鶴を一羽折って「がんばって~」と立ち去りました。

優しい嘘

そこから数日が経ち、センター試験前日。
センター試験組が説明を聞き終えて、教室に集まっていたところに、
例の友人を含む数人が、千羽鶴を持って登場しました。

そこで、一瞬で察する私。
あの折り鶴は、受験組へのエールだったのです。
鶴を折っていたメンバーは、推薦やAOで早期に進路が確定していた組でした。

あの空き教室に、受験組の私が登場したときは、さぞ焦ったでしょう。
私に探させる用事を発生させた友人は軽く責められたそうです。

にしても、咄嗟によく別の理由でごまかせたなと感心します。
多少無理がある理由でしたが、人って疑う理由がないときは不自然な話でも案外そのまま信じるものなのだなと思いました。

詐欺とか裏切りみたいな形で損をした経験はないので、自分がだまされやすいわけではないと思います。

優しい嘘をついてもらえてうれしかったです。
後から真実を共有して笑い話になったのも含めて、温かい思い出です。

嘘の基準

分類の基準は複数あると思うけど、わかりやすい指標で、損をするか得をするかで四種類にわけられます。

自分と相手、それぞれにとってプラスになるかマイナスになるか。

  1. 自分+/相手+

  2. 自分+/相手-

  3. 自分-/相手+

  4. 自分-/相手-

上記の論文では、肯定的・積極的/否定的・消極的という表現を用いています。

自分にとっても相手にとってもポジティブなものは前向きな嘘ですよね。
私が高校時代に経験した優しい嘘もこの分類になると思います。

自分が得して、相手が損をする二番目の嘘。
わかりやすく言うと、詐欺ですね。

3番目の嘘も優しい嘘の一種ですが、嘘をつく側が損を被っているので、相手からすると、できればついてほしくないかもしれません。
それでも気遣いとしてよく見られます。
待ち合わせ場所にて「ごめんね、待った?」「ううん、今来たばっかり」もそう。

4番目の嘘は、蓋を開けてみるとそうだった、というケースになる気がします。
自分も損をするし、相手も得をしない嘘をわざわざつこうとは思いません。
良かれと思ってついた嘘が、実は相手のためにならなかったということはあり得ます。できればありえないでほしいですが。

やっぱり、お互いにポジティブに働く嘘ならいいですよね。
相手のために自分が犠牲になる嘘も、たまにならいいですが、お人好しな性格で日常的に我慢しているのはよくない。



お読みくださりありがとうございました。
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あかちゃん

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