フシギナパラダイス 2話 不思議な鳩 9/9【期間限定無料公開】

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コツコツコツ

誰かこちらに向かって歩いてくるのがわかる。

顔は見えない。

だって、ここは暗闇の洞窟みたいなところなのだから。

でも、顔なんか見えなくたって、誰なのか見当はつく。

候補者は少数人しかいないのだから。

足音はピタリと止まり、布の擦れる音が聞こえた。

「ご報告があります」

「なんの知らせ?」

「先ほど、例の地域にはなった悪霊が消滅しました。」

「そう…。」

彼女は淡々と事実を報告し、私もその事実を淡々と受け止める。

別に今回の件に勝ち負けは関係ない。

目的はそこではなく別なのだ。

「…ということは、彼らの居場所はやっぱりそこで間違い無いのね」

「はい、黄泉津大神様の読み通りでございました。」

私は顎に手を当てて考えるようなそぶりを見せた。

そう、今回の目的は彼らが今どこに居るか探るため。

だから連れ去った人間をどうこうはしなかった。

人が消える、悪霊が現れる、それだけで彼らが何もしないわけにはいかず、行動を起こすのはわかっていたから。

「やっぱり、居場所を突き止めるにはこの方法に限るわね、毎回毎回、どこに居るのか探すところから始まるのよね、こっちには居場所の手がかりが一切ないし、そうなると突き止めるのが一番大変だったりするのよね。

で、誰が倒したの?この時期だと…やっぱりツクヨミ?」

「いえ、倒したのはアマテラス。ツクヨミは…」

「まだ見つかってないの?これは意外ね」

大抵今まで通りなら、最初に動き始めるのがツクヨミのはず。そうじゃないと何も始まることができないから。

なんの情報もなしに、アマテラスが見つかるなんて…珍しいを通り越してあり得ることではないのだけど…

まぁ、でもそんなことは些細な問題ね。

「居場所がわかったなら、それでいいわ。とりあえず適当に色々なもの該当地区に送り込んで様子見てちょうだい。」

「御意」

そういうと、彼女はまたコツコツと足音を立ててその場をさっていった。

ほぼほぼ今代で終盤戦。

こちらもすでに大分弱っているけれど、以外に向こうも同じなのかしら。

今までと様子が違う。

高天原も手段を選んでる場合ではないということなのか…

それとも余裕ぶって遊んでいるだけなのか。

時間は限られてる、見届けるのは、やはり無理そうだ。

「でも、それもまた興ね。遊べる限りは遊ぼうじゃない…ねぇ…。」


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