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フシギナパラダイス 2話 不思議な鳩 7/9 【期間限定無料公開】

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川の方に歩みを進めた
あの女の子、、、見つかったのかな、、、

するとカンッとっかバンッとか音が聞こえ、
もう少し近づくと光が見えてきた。

私は小走りでそこへ様子を見に行く、

そこには、女の子と神様が戦っていた。
戦況は女の子が優勢。
傷一つなく、でも虚ろな瞳で、無気味な…4歳児が浮かべるような笑顔ではない顔が浮かべられていた、
一方神様の方は攻撃を何度も受けいていて、傷もできていた。
攻撃はしているようだけど、当たらない、うまくよけてる?


神様が押されているなんて、、、予想外だ。
神様って万能なんじゃないの?

ちがう、そうじゃない。
神様が昨日言ってた、神様だって死ぬって、万能じゃないって、、、
それに、神様は力使いすぎると、、、

じゃあ、神様は自分の寿命を削って?

「あくれさす!」

女の子がそう叫んだ瞬間、またあの攻撃が出た。

神様の反応が少し遅れた、このままだと逃げるのが間に合わない。

そう思ったら、考える間も無く、体が自然と動いていた。

私は攻撃が当たるスレスレのところで、神様の体を突き飛ばした。

直後にドンっていう音が背後から聞こえた、ギリギリ救出に成功したらしい。

ホッと一息をつくと、神様は困惑した様子でこちらをみていた。

「ルイさ…何で…さっきは…」

「…さっき助けてくれたお返し…っていうのと、このまま神様に任せて負けたら、今度こそ祟られるんじゃないかなって。」

「ありがとうございます、でも安心しないでください、またきます!」

黒い光の玉はすぐに出来上がり、またこちらに目掛けてそれを投げてきた。

神様は、うまくその黒い光の玉の導線を変えることで攻撃を避け、どんという音同時に女の子に何か攻撃を仕掛けた。

キーンという音ともに、女の子の周りに少し光る透明の膜が現れた

女の子はそこから出ようとしたけれど、そこからうまく抜け出せないのか、拳を作り膜から出ようと叩き続けた。

神様はその様子を見て息を吐くと、私の方を向きなおし言葉をつなげた。

「これで、ひとまずあの子の動きは封じました、少しだけ時間稼げます…今のうちに逃げてください」

「で、でも…」

「戦うつもりはないのでしょ?中途半端な気持ちでここに来たならどいてください、今の僕じゃかばいきれません、足手まといは不要です」

そんなことを言われても…放っては置けない…でも女の子を傷つける覚悟は…確かにない…

女の子の姿を改めてまじまじと見つめていたら、ふと気がついた。

女の子の体には傷一つなかった。

神様はこんなにボロボロなのに…神様だって、この子に向けて攻撃してたはず、その証拠にその子の周りには攻撃した後が見られた。

何で…?

…もしかして、わざと攻撃を外した…?あの子に傷を負わせないように?

ちゃんと…神様も考えてくれてたんだ…。

そうだよね、神様だって、誰だって小さな子供を傷つけたいなんて…思うわけがないよね。

「…て」

ふと、女の子の方から漏れた声が聞こえた。

少し顔を上げて女の子の顔を見る

女の子の虚ろな瞳から、涙が流れていた。

それを見て、女の子が何を言おうとしていたのかわかった。

「…神様の見習いでこの惨状、私がやったところで勝てるかどうか…犠牲も出るかもしれない」

「こんな時に何を…」

「それでも…神様のいうこと聞いたら、私も…私でも…誰か助けることはできるかな?」

「…」

「できますよ、だってあなたは神様の…アマテラスの生まれ変わりなんですから。」

神様はそう笑顔で私に言った。

その瞬間パンっと大きな音がなった。

女の子が自力で膜からの脱出に成功したようだ。

いつの間にか、涙が消え、その顔には怒りの表情が浮かべられている

そして女の子の手の中にはまた黒い光の玉が出来上がっている、またすぐにでも攻撃してくるだろう。

時間がない。

今の…神様の言葉を信じよう。

「私、やるよ。どうしたらいい?」

「…」

「この前お渡ししたお守りはお持ちですか?」

「…あるよ。」

「では、問題ないですね。『天光槍葉』と唱えてください、それで武器が出てきてあなたは戦うことができます。」

「わかった…『天光槍葉』!」

そう唱えると、目の前に夢で見たあの槍が出てきた。

一度使ったことがあるとはいえ夢の中での話、現実では初めてだ。

私はグッと力を入れて槍を握った。

その様子を見た神様は私のそでをクイット引っ張った

「こわばらないでください、僕の指示通りやれば大丈夫です。」

「う…うん…」

自分よりいくつか幼く見える彼は、すごく冷静で落ち着いていて、すごく頼りになった。

私は安心して彼の言葉に耳を傾ける

「武器を振り回して戦うのも結構ですが、今の状態で戦う方法は物理攻撃だけではなく、神力を使った技を出すこともできます。」

神力…つまり魔法攻撃的なものだろうか、さっきの神様の出していたあの技のことを言ってるならそういうことなんだろう。

私はゆっくり頷いて把握したことを神様に伝える。

「特に今回の場合、あの子を攻撃してもあの子が怪我するだけです。

まず、女の子に恐らく取り憑いてるであろう何かを引き剥がします。」

「こ、攻撃じゃないの?」

「僕は、ある程度の犠牲は人を守る上では必要だと思いますが、無駄な犠牲は好みません。今回はその方法もありますし」

「ど…どうすればいいの?」

「あの子に向かって『閃光浄化』と唱えるんです、でもちゃんとあの子に向けないと効果は発揮しません、さっきから僕もやってますがうまくいきません、気をつけて」

「わかった。」

私はとりあえず言われた通り『閃光浄化』と唱えた。

でも女の子は私のその攻撃を簡単に避けて、手の中に作り上げた黒い光を私に投げてくる。

それをなんとか私は避けたけど、女の子は…厳密にいうと女の子に取り憑いている何かは、怒りに任せて行動しているせいか、技を出すスピードがさっきまでより早くなっていた。

それは短い呪文を唱えさせてもらえないほどの連続攻撃。

攻撃を避けることはなんとかできる、でも慣れてない上に狙いを定める時間がないとうまくいかないと。

攻撃を受けてでも、狙いを定める方にかける?

「グァっ!」

必死になって逃げている最中、そんな大きな女の子の声が聞こえた

いつの間にか神様が女の子の後ろに回って、ハカイジメをしている。

「ルイさん!動きを封じました!今です!」

「え…でも、そんなことしたら」

「さっき教えた呪文は、取り憑かれた悪霊などを引き剥がす呪文です!僕が受けても問題ありませんから!とにかく早く!」

ジタバタと暴れて逃げようとする女の子を必死に放すまいと掴む神様。

少し躊躇したけど、神様があそこまで頑張ってくれてるんだ。

それに答えないわけにはいかない。

「『閃光浄化』!!」

私は正確に女の子に狙いを定めて力を放った。

その力は女の子にぶつかり、さっきまで元気だった女の子は気絶して動かなくなった。

それと同時に、グオオオオオっという音とともに、女の子の体から黒い気体が漏れ出し、形を作り出していた。

これが取り憑いていたものの正体らしい。

「ちょ、ちょっと、なにこれ!」

私はそれを見て青ざめる、改めて見てみると結構不気味だ。

「これが恐らく元凶です!それを打てばこの件に関しては終わりです」

私は神様に言われた通り、今度は黒い気体に目掛けて今までと同じ攻撃をした。

すると、その黒い気体はスウッと消えていく。

今のでどうやら倒すことができたみたいだ。

「お、終わった…」


そして、ハッと女の子のことを思い出して、神様の元へ走っていく。

「ねえ、女の子は?無事?」

「はい、少し気を失ってるだけで、外傷もあまりないみたいです。」

地面に仰向けで眠って居る女の子の頭を撫でながら、神様はそう答えてくれた。

やっと安心できた私は、私はへなへなと座り込んで息を吐き出した。

しばらくすると、女の子が目を覚ました。

「あ、気が付いた?」

私は女の子にそう声をかける。

しかし女の子はそんな私の問いには答えず辺りをキョロキョロすると

「ママ…どこ…?」

と呟いてどこかへ走って行ってしまった。

うん…別にいいんだけどね…お礼が言われたくてやったわけじゃないし…

そりゃ知らないお姉ちゃんよりお母さんだよね…

でもなんとも声をかけてもらえなかったことに少しショックを覚えたそんな時、

「あ、ルイさん、武器か片付けないと」

唐突に神様は私にそう言った。

「え…?あ、槍のこと?」

「その武器が出てる間は他の人に見えなくなるので気をつけてくださいね。」

「え、そうなの!?なんで?」

「うーん…僕も詳しいことは…、まぁ、バレて困ることはないんですけど、そもそも敵が一般の方々に姿が見えませんから、それでこちら側だけ見えてると、他の人が不思議がって色々道筋を歪ませてしまってはいけない…ってことなんじゃないですか?」

うーん…わかるようなわからないような…

でも、じゃあさっきの女の子には無視されたんじゃなくて、私が見えなかっただけなのか…

ちょっと安心。

「武器はお守りを3回叩けば消えますので。」

しまい方がめちゃくちゃ簡単。

これでいいんだろうか

まぁ、別にいいか。

それよりも

「…あの子はなんとかなったけど、他の行方不明の人はどうなったんだろう…もしかして、まだ今のを何回か続けたり…」

「いえ、歴代の傾向を聞いた感じでは、さっきルイさんが倒したあれを一体消したら行方不明者が帰ってきたらしいので、他の方々ももう戻ってるはずです。」

「そっか…じゃあとりあえず安心だね。」

「はい。とりあえず僕たちもそろそろ戻りましょうか。」

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