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家族との共感の話し ピアサポートからの考察


グループホームにおける認知症ケアにおいても、ピアサポートはとても大切だと思っています。

介護者と利用者はどうしても「支援する側」と「支援される側」になりがちで、「専門性」は時に人を傷つける事があると思っています。
介護者がどれだけ意識しても、利用者本人が息苦しく感じてしまう事もあるんじゃないかとも思います。
それなので、グループホームにおいても、認知症の方同士の関係性を大切にして、仲間同士が支えあえるようにする必要があります。

ホームで仲間同士が支えあえるようにするには

利用者同士の関係性を壊さない

うちのホームでは、利用者さん同士の関係性を職員が壊さない事を大切にしています。
利用者さん同士は時に喧嘩をしたりすることもありますが、
喧嘩をするのも社会という考えで極力介入はしないようにしています。

その瞬間・その一日だけを見るとそこに介入する事は危険を防止することになるのかもしれません。
しかし、1年・2年と長い期間でみると「わからない同士(本人たち曰く)」で励ましあう場面を多くみますし、
一緒に生活するうちに関係性ができていく姿を何度も見ています。

会話としては成立していなくても、
寄り添って、お互いが安心しあっている関係であると感じます。

そんなとこから
グループホームで利用者さん同士の関係を壊さないようにすることは、
利用者同士の関係ができ
ピアサポートになり
お互いが共感しあえ心の安定に繋がると考えています。

家族とホームもピアサポート関係になり得る

家族とホームとの関係

家族との関係についてですが、
家族と事業所という関係は一見事業所と家族というサービス受給の関係なのですが、
ピアサポート関係にもなり得ると考えています。

家族がホームのケアに共感する事

その理由として、地域への食堂や運営推進会議・敬老会時を使っての家族との関係を深めている事もありますが、

一番大きな理由としては、
家族がホームのケアを理解できるからだと思います。

家族は今まで在宅で認知症である母親を見てきた中で、
お母さんの性格や
認知症の方をケアする大変さをわかっています。

もしホームが「専門性」をかざして、
危険だからホームに鍵を掛けたり、
利用者をだます対応をしていたとしたら、
家族はホームのケアを同じ事として理解できないと思います。

ホームが認知症の方を「人」として支援していると映るから
家族は同じこととして捉え共感できるのだと思います。

例をあげると、
今までホームでは利用者が何度もホームから出ていってしまう事がありました。今でもあります。

家族は出ていってしまう事に対して苦情や不満を言った事は一度もありません。
むしろ出ていってしまった事よりも
「普段から自由にさせてくれてありがとう」
と言ってくれます。

認知症の方が出ていってしまう事があり得るという事を自らの経験から理解しているのです。
その苦労した経験から、
最善を尽くしても結果として外に行ってしまうことがあるという事を理解しているのだと思います。

また、
認知症の方が外に出ていってしまい行方不明にさせてしまうという
「専門性」なんて簡単に打ち破られてしまうという
「弱さ」
をホームがさらけだしている事が、
同じ目線での共感を生むことが出来ているのだ、とも思います。

継続して利用者同士の関係を崩さず、
認知症である利用者さんが
「認知症のまま」
生活できるホーム作りをしていこうと思います。

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