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投資用不動産の価格を予想する上での参考指標

2024年も始めり日本の株価は好調ですね。
日本経済が長らくのデフレから脱却し、企業業績も好調で、経済の好循環が回り始めた兆しと捉え、日本の投資家だけでなく海外の投資家からも日本へのマネーが入り始めているとの話もあります。
新NISAも始まり国内の個人投資家が株に投資しやすい環境が始まったことも一因と個人的には考えてます。

さてこういった株価や様々な経済指標が発表されておりますが、不動産投資を考えるうえで意識しておきたい指標は何でしょうか?
今回は比較的わかりやすい代表的な指標について説明をしたいと思います。

1.日経平均株価


 過去の日経平均株価と不動産価格の水準をグラフで重ね合わせると、そのグラフがおおむね似通ったグラフの形状となることから、日経平均株価と不動産価格には一定の連動性があるという見方が大半のようです。
 これは株価=日本企業の業績を表しており、株価が上昇=企業業績好調=社員の給料もUP、逆に株価が下落=企業業績不調=社員の給料も下がるということがまず上げられるかと思います。
 しかし昨今は個人投資家が株式投資によってその資産を増加させ、ポートフォリオに不動産を踏み込みリスク分散を図るといった要素も強くなってきているので、その連動性は前よりも強くなってきている可能性はあります。

 ちなみに不動産と大くくりにいっておりますが、不動産も自分たちが住むための家と、自分たちは住まず投資用で購入するものと二つに分かれます。ある調査では投資用不動産を購入する人の他の投資先にほとんどの方が株式及び投資信託をされているという調査があります。
 比較的手軽に始められる株式で一定の知識・経験を経て、その後不動産投資を考えるということもありますし、不動産投資にはまとまったお金が必要となることから買われる方の年齢層もある程度上の方が多いということもあるからでしょうか。
 ここから考えられるのは、投資用不動産の価格に限ってみれば、株価との連動性は不動産全体の連動性よりも高いということになるでしょう。

2.日本国債(目安は10年国債)


 日本国債は投資先として安全資産の代表格となります。
 一般的にはローリスク・ローリターンの部類に入る投資商品ですね。

 不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの部類に入る投資商品ですので、少なからず日本国債の利回り以上のリターンが得られなければ、リスクの方が大きくなってしまいますので、日本国債に投資した方が利口です。   
 ですので、この日本国債の金利、目安としては10年国債が妥当という見方が多いようで、この10年国債の利回りと一定の関係性があります。

 10年国債の利回りが上昇基調であれば、不動産投資に期待する利回りも上昇する可能性が高く、逆に10年国債の利回りが下落基調であれば、不動産投資に期待する利回りも下落する可能性が高い。

 最近は日銀が10年国債の利回りを意図的に押さえる「YCCコントロール」ということを政策として行っていたため、特殊な環境下ではありましたが、今はその「YCCコントロール」をやめる方向性で日銀が動いておりますので、平時の金利に戻りつつあります。
 昨年で1%弱まで金利が上昇しましたが、1月中旬の足元では0.6%まで再度低下するなどやや金利の変動も大きい状態です。
 今後、国債金利がどう推移するのか、そして不動産投資の期待利回りに対して基本通りに影響を与えるのか、気になるところです。

3.Jリート


 Jリートは投資用不動産を証券化し、金融商品にしたものとなります。
適切ではないかもしれませんが、投資用不動産を株の形で購入するといった考え方をすればいいのかもしれません。

 不動産そのものを買えば、収入は賃料であり、そこからかかる費用・経費を差し引き手元に残る収益(=インカムゲイン)と、不動産そのものの価格の上昇(=キャピタルゲイン)を得る形となります。
 一方でJリートは株式でありますので、配当(=分配金=インカムゲイン)と株価の上昇(キャピタルゲイン)を得る形となります。

 位置づけが異なりますので内容も当然に異なりますが、不動産を対象とした投資であることには変わりがありません。
 ですのでJリートが盛り上がっているときには、不動産投資も盛り上がっている可能性が高いということになります。

 Jリートが盛り上がっているということは、Jリートへ投資することで利益を得やすく資金が入るということになりますから、価格が上昇し、利回りは低下します。
 一方でJリートがもうかりづらいということであると、資金が他に移り、価格が下落し、利回りは上昇します。

 Jリートが対象とするのは、銘柄によってさまざまではありますが、マンションの1部屋ではなく、どちらかと言えばマンション1棟、商業ビル、物流施設など大型の物件が多いので、マンション1部屋への投資と少し距離感はありますが、不動産投資に対する大きな市況全体の傾向として参考となる指標です。

以上、不動産投資における代表的な指標についてご説明させていただきました。
次回はこの観点でもう少し深堀り説明をしてみようかなと思います。
乞うご期待!!!

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