「子どもに任せる」ことが、子どもが自分を好きになり、自分に自信をもつことにつながる
ある本に次の内容があった。
生後4ヵ月の乳児たちに、ひもを引っ張ると音楽が聴こえるおもちゃを与えたという。乳児はとても喜び、繰り返し楽しんだ。そして、とても落ち着いた。それをひもを取り、単に音楽が聴こえるように設定したという。すると、乳児たちは悲しげな顔をし腹を立てたという。
4か月の乳児であるが、こうしたことはちゃんと学習することができる。これは、乳児の行動を観察する実験ということ。
ひもを引く → 音楽が聞こえる
乳児たちは、自ら何かに働きかけることで、何かが起きるということを楽しんだのだろう。
でも、大人はどうしても、こうしたことをやってしまいがちだ。その方が、子どもにとっていいと思っているのだろうが、全く逆なのである。
次に、こう書かれている。
乳児たちは、ただ音楽を聴きたかったわけではなかった。音楽を聴くかどうかを、自ら選ぶ力を渇望した。
これは、人間の自ら成長しようという性であり、人間の成長・発達にとって必要なことなのだと思う。
こうしたことは結構ある。それを、大人は勝手な思い込みでそうしてしまう。それが、人間の自ら成長しようとする性を、人間の成長・発達を止めてしまう。
ここでは「自ら選ぶ力を渇望した」。選択するしないを「子どもに任せる」ことをしなかったということだ。
乳児、幼児であろうと、本人に任せる、子ども自身に任せることは、これから生きていくときに、大きな力となっていく。これが、無意識に、子どもの心に蓄積していくのだ。
「子どもに任せる」の重要性がここにある。
「抱っこ」もそう。
年長児の子ども、来年小学生になる子どもに、「大きくなったから、抱っこはやめようか」などと言ってしまう。
「抱っこの頻度で子どもの将来に差!?何歳になっても大事な”スキンシップ”の魔法」の中では、最近の研究からその大事さが述べられている。ぜひ、読んでいただきたい。
私も別のブログの中で「抱っこ」「おんぶ」をもっとして!の中で書いた。機会があれば読んでいただきたい。
また、「一人で寝る」もそうだ。
「一人で寝る」は、乳幼児期は、親と一緒に寝ているのが一般的だ。これが、大きくなったからと一人で寝るようにされてしまう。
これは、親と子どもの相談という場合もあるが、子どもは親のいうことを聞いてしまうのが常だ。「おおきくなったんだから」という言葉で。
ここには、子どもの選択はない。ここでも、「子どもに任せる」こと、子どもが自ら「一人で寝る」というまで待つことが大事と考える。
「トイレトレーニング」も同じだ。
大人は、できるだけ早くおむつを取りたい、早ければ早い方がいいと思ってしまう。がんばって「トイレトレーニング」をする。
子どもの選択など関係ない。子どもの意思は尊重されない。この場合も、「子どもに任せる」ことが必要だ。「おむつはいらない」というまで。その状況は必ず来る。それは、子どもの心と体の成長・発達が必要だからだ。待つことが大事である。
こうしたことはたくさんあるだろう。
そして再度書く。
子どもは自ら成長する力をもっている。自ら成長・発達していく。大人は、それを「待つ」ことが必要だ。
「子どもに任せる」ことは、子どもを信頼し、自尊感情を育む。これが、乳幼児期から尊重されることで、無意識のうちに、自分を好きになり、自分に自信をもっていくことにつながる。
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