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家庭で「先生」にならないように

「保育所では教員の子どもは大変」と言われています。教員でなくても、そうした職業の方です。

 幼稚園・学校の教員、保育所の保育士もそう、加えて介護士もそう。そうした、人を教えたり、世話したりする仕事に関わっている方々です。



 何故か。

 職業柄、家庭で、自分の子どもに「先生」をしてしまうのです。お母さんでなく「先生」になってしまう、「先生」のようにふるまってしまうのです。


 するとどうなるか。

 自分できることは自分でするように求めます。
 してあげることは少なくなります。
 理屈で話をしてしまいます。
 お母さんは忙しいんだから、してほしいと言ってしまいます。
 お兄ちゃんなんだから、お姉ちゃんなんだから自分でしてほしいと言ってしまいます。
 この年齢だからできるはずだと思ってしまいます。



 こうなると、子どもは、親でなく「先生」と暮らす感覚になります。自分のことは自分でしなければならないというプレッシャーがかかるのです。

 疲れてお母さんにやってほしい時も、眠くてお父さんにやってほしい時も、自分でしなければならないと感じ、心ではそう思っていても言うことができないということになります。


 いつもいつも、そうした圧力を感じて生活することになります。
 そして、してほしいという気持ちを言えなくなります。
 できることは自分でしようとするのです。
 甘えることを忘れてしまうのです。そして、自分を表現することが少なくなり、できなくなります。
 

 甘えたい気持ちを抑え込んでしまうからです。


 また、そうした気持ちを別の行動になってしまうこともあります。
 吃音(きつおん)(どもり)、チック(運動チック、音声チック)になったり、指しゃぶりになったり、自慰行為になったり、それはさまざまです。
 熱を出してしまう、おなかが痛くなってしまう子どももいます。
 うそをついたり、人のものを盗むということにもなります。
 心への圧力が体への圧力になってしまうのです。

 

 そうならないように願います。

 家庭で「先生」になってはいけないのです。
 

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