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スタートアップのアーリーフェーズの経営者の悩みについて

最近ありがたいことに、VCからスタートアップの経営者をご紹介いただく機会が増えてきました。
その中で、よく聞くマーケティングの悩みがあります。

「マーケティングは何から始めたらいいのか?」

私自身、前職では1人目マーケターとして入社をしましたが、どこから着手するかで相当悩んだ覚えがあります。

しかし、この問いはスタートアップがマーケターを採用したい時は、スキルを測ることができる必殺技でもあります。

マーケター力を測るためと問い

「自社にフィットするマーケターの採用が難しい。」

そんな時は、相手の実績や経験などを掘りがちです。
しかし私はここで時間を使うのはもったいないと感じます。

では面接では、何をマーケター候補者に聞けば良いのか。
まずは、核心に迫るために以下2つの情報を事前に開示してください。

1.自分たちが今までやってきたマーケティングの施策は何か。
2.どんなユーザーがどんな理由で自社サービスを使ってくれるのか。

たったこれだけの情報でいいです。

そこからマーケティング力を測るために
「何から始めたらいいと思いますか?」を質問してください。

この問いに、どれだけ構造的に答えられるかどうかが鍵になります。

ここだけが、スタートアップのマーケターに求められる必要な条件です。
もちろん、即興で答えるので正確な戦略は立てられません。

ただ、おおよその目星をつけて即興でもトライする手段を持っているのか
そこには、勢いとあたりをつける勘の良さと構造化が必要です。

「何から始めたらいいと思いますか?」
これは自社で必要なマーケターを一瞬で見極める究極の問いなんです。

黒字にコミットできるか?

「マーケティングは長期投資です。まずは認知。しばらく様子を見ましょう。」
こう答える人もいるでしょう。
でも私の持論ですが、長期投資だと考える人にはスタートアップのマーケティングには向かないと考えます。

プロダクトの開発、人の採用、あらゆるものにお金がかかる中、
「売上が立ってこないと、投資判断はできないです。」
と投資家に言われるのが経営者です。

今、会社のマーケティング活動にどれくらいの費用をかけているのか。
そのお金をかけることで、どれぐらいの期間でどれぐらいの売上が立つのか。自社の利益率は何%で、どれぐらいの期間でかけたコストを回収できるのか。

スタートアップのマーケターがここに向き合えないのであれば
社長がマーケティングをしたほうが良いかもしれない…とすら思ってしまいます。(辛口ですみませんw)

余談ですが、弊社のコンサルタントの小原は、かつて自分で会社を経営していました。
その時の苦い思い出をこう振り返っています。
「会社のキャッシュも自分のキャッシュも尽きて、自分のクレジットカードから広告費に30万円使ったときは、指が震えました...。」

指が震える。

投資家から預かったお金を燃やしながら事業を作り、売上が上がるか分からない中で広告費を支払う時もあります。
スタートアップのマーケティングは、時には未来を背負う命綱。

絶対に回収する気概で、託されたお金を存続のために使うこなら、相当の覚悟が求められます。黒字にコミットできるかどうかは、意外と見落としがちなスタンスです。

人が物を買う瞬間に、嗅覚があるか。

話が変わってしまいますが、日常的に私はよく友達に物を売っています。笑

例えば、家庭用プラネタリウム。家庭用プラネタリウムは本当に凄い。

睡眠前に天井に広がる宇宙を見ると、自分の世界のちっぽけさも感じるし心地よく眠れる気がします。プラネタリウムに感動しすぎて、押し売りしまくっていました。

お子さんが生まれた方には
「10,000円で子どもに宇宙を身近なものに感じさせられるって凄いと思いませんか?」
と伝えたり。。。

コスパ重視な人には
「10,000円で50万の星が手に入る。星一つ辺り0.2円って凄いことだと思いません?」
と伝えたり。。。

一時期は、プラネタリウムをどれだけ売るかにコミットしていたかもしれません。(案件ではないのに笑)

おすすめされた友達は、大体気づいたら買っていました。

この特技は今に活かされています。
マーケティングとは人にものを売る仕事です。
「物を売るためにどう考えれば良いのか?」を理解しているかどうか。

「どんな人が、どんなタイミングでどう言えば欲しくなるのか。」

このイメージがリアルに湧く人は、マーケターの素養があるかもしれません。

どんな人がそんな条件を満たすのか?

毎月数十名のマーケターと会い続けていますが、
この人は、活躍しそうなマーケターだと思う条件があります。

・自分で会社を経営していたことがある。
・社長と二人で会社を作ったことがある。
・1人目のマーケターとして会社を黒字化させたことがある。

どれか一つでも当てはまっていると、アーリーフェーズでミスマッチなく動けそうなマーケターだと感じます。ちなみに、レイターではまた違った経験の人が必要になります。(それは、おいおい。)

今必要なマーケターを見つけるのは、難しい

マーケターと言っても、持っているスキルやスタンスはバラバラで、
自社に合っているマーケターを見つけてくるのはなかなか難しいのも事実。
経営者からも、「優秀なはずなのに、なかなか動いてくれなくて時間がなくなっている。」
という相談もきます。ようはすぐ動けるかどうか、なんですね。

マーケターを採用するときに困ったら、ぜひこの質問をしてみてください。

「まず、何から始めたらいいと思いますか?」


今回のコラムは以上です。

自社マーケティングの壁打ちや、マーケティング職に興味がある方
ぜひお気軽にご連絡ください!



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