君と出会って6年目
気がつけば君を相棒として迎えてから5年が経過していた。
この地域に引っ越してきて間もないあの日、大型ショッピングセンターのサイクルショップで君を見つけた。
少し地味だけどチョコみたいで可愛かったから君を選んだ。
それから今の今まで、君とは長い付き合いだ。
感謝してる。
君なしでは大学の授業にさえ行けなかっただろう。
バイトにも、会社にも、買い物に行くにも、友達と遊びに行くにも、どんな季節でもどこに行くにもいつも嫌な顔一つせず私を乗せてくれた。
散々な悪天候でも。私の扱いがひどくても。
けなげに君は毎朝私を待っていてくれる。
でもやっぱり屋根のない場所に置いておかれるのは辛いかな?ごめんね。
振り返るとこれまでに何回も君は不調を訴えた。
何度修理屋に持って行っただろうか。
道が悪いのは私のせいじゃない。
でも、もう少し優しく扱ってあげたらよかったとは後悔してるよ。
この5年で君のブラウンの車体の輝きは薄れ、塗装がない部分は赤茶色のサビが覆った。
車体の真ん中にアクセントとしてあった黄色い塗装は変色してグレーになってしまった。
生地が破れて綿がはみ出たサドルには、黒いカバーをかけた。
壊れたライトの役割は、市販の充電式ライトで補っている。
逞しく見えるよ。
そんな君の姿に何度励まされたことか。
愛おしくて、頼れる私の相棒。
これからも命が続く限りよろしくね。
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