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【年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活】を読んでみて

最近、読書をおろそかにしていたので、近所のブックオフに入って面白そうな本を手に取って読んでみました。かなり面白いと言いますか、日本の悲惨な現状がよくわかったので少しご紹介します。読んだ本はこちら。


■ 要約

この本は平均年収ほどの収入で生活している人、平均年収以下で生活をしている人のさまざまな苦労を綴ったものです。
生活する上でどういうことを我慢しないといけないか、何に不安を感じているのか、どういった感情で毎日を過ごしているのかということを本人の語り口で再現されています。

■ 平均年収の推移

国税庁の調査によれば2021年度の国民の平均年収は443万円ほどであったといいます。2008年の調査では430万円で過去およそ15年の間に微々たる上昇や下降はありますが、ほとんど年収の増加がありません。しかし、日本の物価は上がり続けているので、生活が苦しい人が増えるのは当然の結果であると思います。

■ 平均年収程度稼いでいても生活は苦しい

この本を読んで驚いたのは、平均年収程度稼いでいる世帯でも、かなり生活が逼迫されているということです。
本で紹介されているもので、世帯年収1000万円程度の夫婦(夫の年収が700万円、妻の収入が300万円程度)、小学生の女の子一人、保育園児の男の子が一人の世帯例がありました。
年収という数字の面だけで見れば、かなり裕福そうだと思ったのですが、貯金はほとんどできずに毎月の収支はトントンで赤字になる月もあるそうです。
毎月にかかる費用は、家のローン15万円、食費10万円、子供との娯楽費7〜8万、学資保険の支払、光熱費等々。これらで月の収入のほとんどを消費するようです。子供を育てている世帯は細かい出費が重なりそうです。
この世帯の夫婦はお互いお小遣い制でやりくりをしており、夫は月に4万円、妻は月に3万円で、お昼ご飯は毎日500円以下におさえているようです。この世帯は実質夫の収入が世帯収入の核となっているので、夫が働けなくなったらどうしようや、老後のお金は貯まるのか、子供の教育費は足りるのかといった不安があるようです。

■ 平均年収以下はもっと苦しい

平均年収程度でもかなり生活は苦しいので、平均年収以下になるとさらにさらに生活は苦しいはずです。本で紹介されているもので、世帯年収120万円程度のシングルマザー(妻の年収が120万円、夫からの養育費5万円程度)、小学生の女の子一人、保育園児の男の子が一人の世帯例がありました。
この世帯は、生活を切り詰めて何とか家計が回っている印象です。スーパーでは半額のものを買う、衣服はほとんど買わない、外食はほとんどしないといったような生活です。
シングルマザーの世帯については国の制度などがある程度整っていて、助成金なども使えるものがあるのではないかと思います。私が思うこととしては、シングルマザーの世帯が支援を受けられる制度を気軽に使える環境を整えること。そういった情報を積極的に国が発信すること。同じ悩みを持つ方が気軽に集まって情報交換できるような場所を提供することが大事なのではないかと思います。こういったことムーブメントが広がると助かる家計は増えるのではないでしょうか。

■ 介護・奨学金・低所得の三重苦

女性の貧困や若者の貧困には、徐々にではありますが、目を向けられるようになってきたと私自身は感じます。ただ、親の介護が必要で、なおかつ奨学金の返済があり、収入があまりない世帯にとっては、今の日本社会はとんでもなく生きづらいと痛感しました。物価の高騰、介護費の支払い、奨学金の返済、生活費の支払いなどをしていると、贅沢する暇など一部もないのです。こういった、目の前の生活に困っている人にもっと支援がある世の中になってくれればいいなと思います。

■ できることをやるしかない

私自身は現在、独身で特段何も考えず入ってきた収入を娯楽や生活費に費やすことができます。しかし、この本を読んで独身時代から将来のことやいつまでに大体いくらくらいのお金がいるのかということを考える機会を持つことは大事だと思いました。生活のしやすい国になってくれればありがたいですが、国は特に何もしてくれないです。過去国は何も実質的な対策をしてこなかったので。期待をせずに自分自身でできることを、若い世代であればなおさらしていくしかないかと。
今回紹介した本は200ページくらいで、数週間で読める本なので気になった方はぜひ手に取って読んでみてください。勉強になると思います。


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