パワハラ・第一章【根源 (2)】

 営業所での研修が始まったが、内容といえば

事前に地図で道順を調べて覚え、当日走る

 程度でしかなく、この会社以前にタクシードライバーを15年弱やっていた事もあり、順調に日程を熟した。 そんな中、前出の「自発的に辞めさせた指導員」ことF指導員との研修がついにきた。 ところが、実際に研修が始まるとY社のツアーという事で、そちらの添乗員さんも同乗されてたからなのか、特に問題もなくその日は終わろうとしていた。入庫し、片付けも終えたので最後に挨拶して帰ろうとした矢先、それは突然宣告された。「お前には、絶対乗らせない」と。当初、「これは叱咤激励なのか?」とか「こんな圧で、自発的に辞めると思ってるのか?」程度に思っていたが、まさかこれを押し通して人事権もないのに降格させられるとは…。 次の研修は、営業所としては最後の一泊二日の研修で、三台口の2台目、最初の研修でも指導員として同乗したU指導員だった。F指導員研修前には一切問題が無かったが、とりあえず慎重な行動に努めた。そんな中順調に走行していると、私は車線減少による合流部に差し掛かった。前回の研修同様、合流側の車両1台をやり過ごそうと減速し始めると、意外な指示が目に入ってきた。 

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