パワハラ・第一章 【根源 (10)】

 総括は、何故かU指導員とS指導員と私だけで行われる事となり、T所長とM乗務員は駅前の当社案内所へと向かって行ってしまった。
 早速、結果を発表されたのだがなんと、何のアドバイスも無くやらされ、通常なら何ら問題が無い「一瞬、小枝に触れたから『降格』」というものだった。
 そもそも、人事権の無い指導員が研修から補習まで殆ど教える事無く、誰も今までやった事の無い試験(?)をやらされ、当然合格基準など無いのだから茶番以外のナニモノでもなかった。
 更に、驚く事にその総括をわざわざ人目が多い駅前で、1時間近くやったのだった。
 それも、内容はF指導員への対応がどうの、日頃の路線バスの仕事内容がどうの(路線バス乗務に関しては、当時は本社も認める程優秀なのを知らないのか?)と、今日の補習についてすら殆ど触れず、誰から聞いたのか私に見に覚えのない事も多々ある始末。 「あぁ、これは予定通りの『降格』だったんだなあぁ…」と、呆れながら聞いていると、「何故、真剣に聞いてないんだ!」と、怒鳴りつけられながら総括は終了した。 これは、後に発覚したが

 全営業所で初めて、貸切バス乗務員研修で降格された

という人事でもあった。

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