パワハラ・第一章 【根源 (11)】   

 総括が終わり、所長とM乗務員がバスへ帰ってきたので、営業所へと向かう事となった。
 ちなみに、T所長は「…ま、そういう事だから。」と、やはり事前に決定されてた事も隠すつもりも無いようで、聞いたのはその一言だった。
 そして、予定外で乗車してきたM乗務員は…正直な話、私は当時の事をよく覚えていないが「なぐさめられた」と朧気ながらの記憶がある。
 それが、「ここで慰め役を入れておいて、あじしお太郎の溜飲を下げ、納得させよう」なのか、「うわぁ、これで降ろすのか?お気の毒に」なのかを今、判断出来る程は覚えていない。
 …これが、最初の人事権の無い指導乗務員による不当人事による降格だった。
 これにより、当初私が貸切バス乗務員になる予定だった代わりに、先輩ではあるが洗車も車内アナウンスも殆どやらなかったからなのか、私の次に研修予定だったYb乗務員が貸切バス乗務員となった。
 この件は、当然営業所ばかりか全営業所へ

「あじしお太郎は、下手だから貸切バス乗務員を降ろされた」

 へ、吹聴される事となった。
 正直な話、私だけならばこのような事実無根の誹謗中傷する会社、放っといてさっさと辞めるのだが家族とあと一人の為、どうしても名誉回復をしなければならなかった。
 その、あと一人の状況がこの直後急変する。

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