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【6月27日〜30日】リバプール〜再びロンドンへ

【6月27日】
◉コッツウォルズ地方からリバプールへ移動。
バスの時間の前に、前日レセプションの子に聞いてみたワークショップを見に行ってみる。
その子もゲストハウスの仕事だけじゃなくて、そちらも手伝っているそう。
徒歩8分のところに住んでいるらしい(笑)

◉今日は彫刻の教室。
大人クラスから子どもクラスまでさまざま。
彫刻、絵画、陶芸、アクセサリー、、などなど。
年間を通して運営されている。
その日の先生はこの工房から車で30分くらいの街に40年以上住んでいるアーティスト。クラスを3つ持ってて、今日このクラスは10回目。
1回2〜3時間で、真四角の石からここまで掘り上げたそう。
このおじちゃん、クラスにはいっつも参加してるんだって。


創作をすることは誰の欲求でもあって、社会からの孤立を減らし
人間を豊かにするものであるって、パンフレットに書いてあった。
シングルマザーの女性が参加して、ここにいる時間は自分だけの時間であって、これがあったから生きていけるって、言葉もあった。
こんな、人口2万人に満たない小さな町で。

◉バスと電車を乗り継いで、4時間。
バスは窓が空いて爽やかだし、電車ではそこで初めて会ったおしゃべりなおばちゃん同士が大盛り上がりだし、混み合ってきたら荷物を上にあげて座らせてあげたらいいよと、おじちゃんが重ーいザックを棚にあげるのを手伝ってくれる。
いいなあ。旅だなあ。

◉リバプールでは教えてもらった劇場に行きたかったのだけど、そこは上演がなく、2館同時運営の別の劇場へ行ってみることに。
Liverpool Play House
調べても全然何だかよく分かんないイベントだったけど、行ってもよく分かんなかった。(英語がわかんないせいもある)
詩の朗読会。2人の詩人が朗読する。
詩を読んでる時間よりMCの方が長い。みんな、大爆笑。
人気の詩人みたいだ。
人の声って、笑い声もただの音の振動。
意味がわかんないから、その音の揺れに身を委ねてるだけだけど
波の音を聞くみたいに心地がいい。
笑い声って、意味がわからなくても心地よいものだ。

【6月28日】
◉翌日は調べてみて気になった劇場を回る。
everyman theater、BLACK-E
どちらも劇場は開いていなかったけど、BLACK-Eは裏口から入れたので、お願いして公演がある時に開いているカフェを見せてもらえることに。

リバプールは移民コミュニティがあるらしく、中華系、アフリカ系の人が多いみたい。中華街がすぐ隣にあるし、カフェの中には提灯が飾ってあった。
イベントも外国由来のものが多いみたい。
ここでも、子どもたちのワークショップを開いていたり、この移民コミュニティの集まる一つの場になっているみたい。

◉無料の海洋博物館によってみたり。
制服を着た中高生がたくさん。社会科見学みたいなことなのかな。
イギリスでは制服を着ている子どもたちをよく見かける気がする。
制服文化って他の国にはあるのかなぁ・・

◉その夜は調べてたどり着いた郊外の小さな劇場でやっているオープンマイクイベントに行ってみることに。ValleyCommunityTheater
18時半までは18歳までの子どもたち、19時から22時は大人の時間。

ここでも話しかけてみた人が偶然劇場の人(しかもマスター)だった。
毎週金曜日やっているオープンマイクは枠がすぐ埋まってしまうんだとか。

ほとんどが歌だったけど、1人だけ詩の朗読をした人が。
たぶん、ちょっと訛ってたからイギリスの人ではないのかも。
「今度はオープンマイクじゃなくて、ステージでやりなよ」ってスカウトされてた。

オープンマイクは入り口のロビーでやってたんだけど、声をかけたら中を案内してくれた。

◉クリスマスや夏季休暇には食事付きの子ども向けワークショップを開催しているそう。ここは演劇のWS。
食事は自分たちでやってみたければ、一緒に作り方を学びながら準備ができるらしい。
チャリティーだと言っていた。参加費無料。

音楽なってるところで話したし、話してることが難しくてよく意味が取れなかったんだけど、HPなどを見ていると
Corporate Partners and Trusts and Foundation から支援を受けている、というのがよく書いてある。
企業や信託(銀行?)、財団ですよね。
そして、多くの小劇場はregistered charityであるみたい。
登録慈善団体、つまりNPOみたいなものなのかなと思いますが。(勉強不足)

◉オープンマイクはおじちゃんバンドから、めちゃうまのお姉さんの歌唱まで、さまざま。家族で来てお父さんの歌を応援していったり、若者がお酒を飲んで盛り上がっていたり。
観客もメンバーを入れ替えながら、みたい人を見にきている感じ。
あと、最初から最後までいたのは障害を持っている親子。
音楽聴きながらめっちゃ踊ってた。めっちゃ踊りすぎて注意されてたけど。


【6月29日】
◉時間調整のため、ロンドンを2泊追加。
せっかくだし、とおもってレミゼを見にウェストエンドへ。

他のどの場所よりも客席が観光客だった。ほとんど、というか全員?

マナーの悪さに愕然。
劇場のマナーを知らないのかなあそもそも。
途中でトイレに立つ人続出で、座席が狭いから隣の人たちは立たないと外へ出られない。なので、その都度その列の人たちみんな立ち上がる。
トイレかなと思ったら、お酒買ってきてるし。
(こちらの劇場は中でお酒を飲めるところが多いみたい。それも本当は違反なのかもしれないけど、多くの劇場では中で飲んでる人がたくさんいる)

めっちゃ、隣の人とおしゃべりするし。
スマホで撮影しようとしてスタッフに注意される人めっちゃいるし。
というか、スタッフはなぜシャツが白いんだ。
君たちが動くと、それがそもそも気になるのだが。

中身は本当に素晴らしいし、このクオリティでこそロンドン、と思うけど
他が気になりすぎて全然中身に集中できなかった。

というか、こんなに素晴らしいのにこの人たちの目には映らないのだなあと思ったり。休憩明け、人、減ってたし。
求めていない人たちに提供するのは、それはただのエゴでは。
これは、ここでの話ではなくて。私の考えが飛躍した結果です。

文化って、芸術って、素晴らしいよ!って良さを伝えたくてやっていても
それを求めていなかったり、良さが伝わらない人に押し付けるのでは意味がないのでは。

では、誰のために、何のためにあるのか?

◉まだちゃんとオペラが見れていないのが悔しくて、
(ウィーンでは子ども向け演目だったので集中できず)
しかも、予約していたAlbanyという小劇場の公演が出演者体調不良のため中止になってしまったため、再度Royal Opera Houseへ。

途中、LGBTQ+のプライド週間ということでパレードがやっていた。
ハロウィンの渋谷くらい混んでいて、パレードは楽しかったのだけど
オペラには大遅刻。
残念ながら、前半は中に入れずロビーでモニター鑑賞(ああ無情)

休憩明け、中に入れて立ち見席で見たけど
誰のために何のために、が頭から離れず、全然耳に入ってこなかった。

知ってる。ウィーンでも思ったもん。
権威で、殿堂であることは大事だし、そのクオリティを保つのが
どんなに大切で大変なことかはよく分かってる。

私もこれが好きでこの仕事を始めたし、きっかけはウィーンだ。
でも、ここが素晴らしいのはよく知ってるよ。って、感じだった。

【6月30日】
◉日本で偶然に出会った人に紹介していただいて、シェイクスピアカンパニーのグローブ座で働く方に会えることに。

小道具の製作や修復を担当している方。
そもそもグローブ座では舞台裏ガイドツアーをやっていて(有料)
この日はとても混んでいて、15人くらいのツアーが3、4組回っていた。
私は衣裳部屋、小道具の作業アトリエ、大道具のたたき場(作業所)、小道具や衣裳の倉庫を案内してもらってからツアーと合流し舞台と客席を見学。
こっそり袖中(出演者がスタンバイする舞台裏)も見せてもらって、13時からのマチネのために用意されている小道具などを見る。楽しい。

今回の旅の目的を話して、何か力になれれば、と言ってくれた。
ひとまず連絡は取れるので、何か頼ることが、またあるかもしれない・・。

◉裏にスタンバイされている小道具や衣裳を見てこれは、見ねば!とチケットを購入。その方と近くのマーケットを見て回った後、観劇。

やっぱり、イギリスの自国の文化に対する熱意とか誇りとかプライドとか、
すごいよなあって、思っちゃった。
とにかく、素晴らしかった。
このタイミングで見れてよかった。

楽隊から始まり、素朴な合唱があって、お芝居が始まっていく。
衣裳も小道具も、そりゃあ豪勢に作られていて、とてもお金がかかっているなと思うんだけど、でも、もともとのシェイクスピアの芝居もこうやって
素朴な歌やセリフにみんなで笑ったり、息を飲んだり、
俳優の技術に感心したり、
そういうものだったんだろうなあ。

半野外の劇場は、ガイドツアーをやっているときは
霧雨が降っていたけど、上演が進むにつれ天気が回復して
最後には日が差していた。とても、綺麗だった。


明日はいよいよ3カ国目。早朝移動、頑張らねば。
1週間ぶりに日本語で安心して会話ができます。

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