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夏バテ・熱中症専用の漢方薬「清暑益気湯」のすすめ

夏バテとは、夏の暑さにより体が衰えた状態。
正式な病名としては「暑気あたり」とも言われます(ここでは夏バテと呼んでいきます)。
夏バテのおもな症状は、倦怠感や疲労感、食欲不振などです。
また、高温多湿のなか、汗をかき過ぎると体内の水分と塩分が失われ、脱水状態になる可能性があります。
脱水症状が進行すると熱中症になってしまい、生命の危険につながることも。
つらい夏バテ・熱中症に処方される代表的な漢方薬に「清暑益気湯」というものがあります。
ここでは、清暑益気湯についてくわしく紹介していきます。

■清暑益気湯の効能・効果

清暑益気湯には、「ニンジン」と「オウギ」という元気が出る生薬が含まれます。
ほかにも、熱を冷ます作用のある「オウバク」、胃腸の機能を高める「チンピ」「ソウジュツ」、体に潤いを与える「バクモンドウ」「ゴミシ」を含有しています。
つまり、夏バテや熱中症にピッタリの漢方薬です。
夏バテや熱中症と見られる症状が持続するときは、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
また、服薬は医師や薬剤師の指導に必ず従ってください。

■清暑益気湯の覚えておきたい副作用

漢方薬の副作用は、服用初期に発症することがまれにあります(個人差があります)。
重大な副作用としては、偽アルドステロン症、低カリウム性ミオパチーです(下記参照)。
そのほか、発疹、蕁麻疹、食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢などです。

偽アルドステロン症
血圧を上昇させるホルモン(アルドステロン)が増加していないにも関わらず、高血圧、むくみ、カリウム喪失などがあらわれる副作用。
手足のだるさやしびれ、つっぱり感、こわばりに加え、力が抜ける感じ、こむら返り、筋肉痛などがだんだん強くなる場合があります。

低カリウム性ミオパチー
血液中のカリウム濃度が低下することによって、全身に脱力が起きる症状。
首や手足など全身の脱力があり、重症の場合は首が支えられず垂れ下がってしまうこともあり、カリウム製剤を投与し治療します。

上記の重大な副作用2つは、「カンゾウ」という生薬が含まれているため、ごくまれに起こることがあります。
いずれにしても、副作用が継続するような場合にはすみやかに服用を中止し、医師や薬剤師に必ず相談しましょう。

■まとめ

梅雨明けを迎えた日本は、ますます厳しい暑さとなり、年々過ごしにくくなっています。
この暑さを考えれば、十分な対策をとっても体調不良が避けられない場合があるでしょう。
そのようなときに役立つ漢方薬「清暑益気湯」を今回は紹介しました。
この時期になると決まって体調を崩す人や、すでに夏バテ傾向にある方には、ぜひ試してほしい漢方薬です。

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