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派遣の良しあし

先日(といっても6月上旬)、仕事で新しい派遣社員さんを受け入れたのだけれど、そのときに思ったことがある。
このご時世に、派遣社員として仕事を始めるんだなぁ、ということ。

この会社には人が足りなくて、かつ、コロナで赤字で人件費を抑えたいので、派遣さんが必要。
スキルがマッチして、働いてくれるというのだから、“この会社の人”としては、ありがたいと思うべきなのだろう。

だけど、派遣として働くことの保障のなさがようやく問題になってきたこのご時世、きっと私なら、派遣という選択はしないだろうなと思ったのだ。
(年齢もあるかもだけど。30過ぎたし)

私も以前、派遣というものをやってみたくて、三年ほどやっていたことがある。
働く側も雇う側も、お互いが都合よく使っているつもりで、ものすごく軽薄で使い捨てる契約の上に成り立っていることを学んだら、きっぱりと派遣をやめた。

もちろん、派遣という形で働くことでしか得られない経験もある。
だから、その経験を得るために、その選択をあえてしているのであれば何ら問題はない。
私も派遣として働くことで、幅広い業種の多くの職場にお邪魔させてもらうことができて、そのときはとても楽しかった。未知と刺激がいっぱいで、毎日がフレッシュに感じられた。
20代の当時の私にとっては、必要な社会経験だったと思う。

でも、この社会情勢の中で、それを選ぶだろうか?
自分の生活が困ったことになって初めて、その契約の内容に気が付くのでは遅いのだよ…。
(実家暮らしなのかな。経済的には余裕があるから、契約内容は問わないのかな。もしかして、とにかく派遣でもいいから経験を積んで、次のステップにつなげる志があるのかな。私は知らないだけで、事情や考えがあるだろうから、勝手に判断することはしないけれど、ちょっと心配だな~と思うくらいは自由だよね)
そう思った。

そして、ひとつ気がついたことがある。
その日、派遣会社の担当者に付き添ってもらって出社した派遣さんは、挨拶をしなかった。
担当者の少し後ろに隠れるように立ったままで、会釈をすることもなく、声を発することもなく、ただついて立っているだけだった。

大丈夫か!?
おいおい、社会人として挨拶は当たり前だろうよ((+_+))

そう思うけれど、当人が一言も発さなくても、その場がうまく事進むように、派遣会社の人が代わりに挨拶をしてとりなしてくれる。

そうだ、思い出した。
派遣のときって、自分で直接相手をしなくていいから楽だったよなぁと。
相手に直接意見を伝えることもなく、担当者経由で伝えてもらって、自分で調整しなくていい。
でも、その楽さが染みついてしまったら自分がダメになるって気が付いたから、派遣はそこそこで切り上げたんだった。

「自分でどうしたらいいかわからない」「緊張しちゃう」
そういう人を一見助けているようで良さそうなシステムだけれど、実は、社会の中で自分の足で立つために必要な経験が失われてしまっている。
幼稚なままでいることが許されている。

「楽で、いいじゃん!」と思う人もいるだろうけど…
アラサーで、Let's 無責任!ってどうなの~?
あなた、20代前半じゃなくて、わりと私と年齢近いでしょうよ~。

当人はそれが良くてそれを選んでいるのだから私がつべこべ言うことでもないけれど、人間として成長し大人になっていくための経験を避けている(or得られない)というのは悲しいものではなかろうか…と、おばはん的に感じました。

私は年齢的な成長をしていくことがモットーなので…。
つい、ね。笑

彼女にとって必要な経験が、適したタイミングで訪れますように。
☆彡☆彡

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