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コナンの安室さん初登場回で考える性のお話

自己紹介

私はONE PIECEの次にコナンが好きなのですが、特に好きなキャラクターは安室さんです。

(…というか、降谷零が好きです♡)

安室さんの初登場回、知っていますか?


これ、すごく悲しいお話です。

幼い頃に火事で両親を失ったという、同じ境遇を持つ新郎新婦。
なんとその2人は誕生日も血液型も一緒。惹かれるべくして出会った2人です。

結婚式の前夜祭パーティーをしているときに、用事で一旦外出した新婦が、外の駐車場で車の爆発に巻き込まれ、なくなってしまいます。(コナンの世界はよく爆発しますね)

新婦の爪の先には、犯人のものと思われる皮膚片が残されており、そのDNA鑑定を行うと、なんと新郎のDNAとほぼ一致しました。

「ほぼ」というのは、雨や泥で汚染されていたため、完全に鑑定することが難しいということでしたが、
血縁者でもない限り、DNAがほぼ一致することなどありません。

犯人として疑われる新郎ですが、コナンくんは真実を見抜きます。


この新郎新婦、実は一卵性の双子だったのです。

一卵性の双子ということは、受精卵の時に2つに分かれたということです。
つまり2人の遺伝情報は同じ。DNA鑑定でも同一人物という結果が出ます。

通常の一卵性の双子は性別も同じです。

ですが、このお話の新郎新婦は「異性一卵性双生児」でした。
そもそもは男の子になるはずの受精卵でしたが、それが分かれて双子になりました。

その分化の時に、一方は普通に男の子となり、
もう一方は、性別を決める性染色体の、男の子を示す部分が欠落し、女の子になった…ということです。

その場合、女の子になったほうの遺伝情報には、欠落した分の性染色体が足りません。ですので、「ターナー症候群」という性分化疾患となります。

ターナー症候群であると、低身長・無月経などの特徴が出ます。


このお話の新婦は、低身長であることを気にしていた…とのことでした。

爆発は新婦が自分で起こしたもの。
爪の先に残った皮膚片は、新婦本人のもの。

結婚式を控え幸せの絶頂にいたところ、新婦は「新郎と自分は双子であり、結婚は許されない」という真実を知ってしまい、爆発を起こし自らの命を…という、悲しいお話でした。



こんな運命のいたずらは、現実にはなかなか起こらないと思いますが、
性分化疾患というものは実際にあります。

「大人になって男性不妊かと思ったら、性分化疾患で無精子症だった」ということもありますし、

疾患によっては、「女として過ごしてきたけど、思春期に生理が来ないので体を調べたら精巣があった」など、心と体の性別不一致が起こることもあり、非常にデリケートな問題です。


性のアイデンティティってすごく難しいけれど、その人がその人らしく生きられる世界だといいなと思います。

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