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わが子が受験勉強で学んだものと失ったもの

今日は小6の一番上の子の話です。
小6の長女はこの冬受験をします。
受験をすると本人が決めたのは小5になる直前の春休み。

受験をするなら遅くとも小4から塾に行くのが一般的なこの辺では少し遅いくらいでした。

私は正直受験には反対の立ち位置。
でも頭では彼女が欲しい世界が公立にはないのも分かっていて、進路どうする?と聞いたのは私。
娘の話を聞いているとシンプルに「主体的に動ける自由」と「充実した設備」とその環境で過ごせる「たくさんの同級生」を求めていました。

1.受験勉強で彼女が失うもの
受験勉強で子供が失うものってなんだと思いますか?
私は圧倒的な「したいことをとことんする自由時間」だと思います。
世の中では「探究」で表現されることが多いかな。

それは彼女が思っているよりも大きくて大切なものです。
樹木の生長と同じように、育つには年月がかかるけれど断ち切ってしまうのは一瞬。そして彼女の中で育った「探究心のつぼみ」は、本来は5年6年を合わせて大きく花開くものであり、その場所もありました。

花開くその大切な2年間を失い、もしかしたら4年間かけて育ててきたつぼみも失うかもしれない。一生懸命時間と自分をかけて、その中学の環境を得た時、自分がそこで育てるつもりだったつぼみは、また苗に逆戻りしているかもしれない。

私の中でそれはものすごく難しい課題でした。
けれど娘と何度も話し合う中で本人の気持ちがしっかりあること、
その結果を受け入れる用意もあることから、選んだのならそれを自分にとって価値のあるものにすることに力を入れた方がいいと判断しました。

2.予想外に受験勉強で得たもの
一方で受験勉強で得たものもありました。

・知識や経験の点がつながる
彼女は初めてテスト勉強をしました。そして今までぼんやり感じていたことが整理されて理解できる状況を非常に面白いと感じ受験勉強に熱中しはじめました。

・周りを頼り、優先順位をつけることを覚えた。
彼女には競争意識がなく、ある程度自分が満足できたらよいというタイプです。そして興味のあることはとりあえず全部やるという勉強スタイルでした。加えて全ての基準が自分の中にあり、人がどうこう言ったとしても自分が価値を認めなければやらない子どもでした。

けれども彼女の希望している学校は「そこそこできる」では受からない学校です。基礎を固めたら残りは自分の中にある穴を埋めていく勉強にシフトチェンジしていく必要がありました。それには優先順位の設定やどう挑むかが必要でした。

長女と私はそれについて1年以上話し合う必要がありましたが、
話し合う中で
・優先順位をつけることの大切さ。
・一人で挑んでいるのではなく、塾の講師という第三者に質問をすること。
・自分のやりたいことと勉強をどう両立するかのスケジューリング力。

を学び始めました。

 さらに国語の勉強を通して、自分の気持ちを表現するために必要な言葉を学んだり、伝え方の重要性をを理解しました。それは受験とは関係なく必要なんだという視点ができ、国語の重要性に気が付きました。そのうえで自分の苦手ポイントを理解して、これがあまり分かっていないなと感じたらそこについて先生に質問し、どう解くかではなくてどうしたら力が付くかという視点で質問できるようになったのはすごいと思います。

正直、受かってくれたらうれしい。
けれど受験勉強は受かっても受からなくても、やってよかったと思う。
彼女の中にそういった感覚があり、
今回落ちてもそれぞれの環境で自分のしたいことを実現する方法を探せばいいし、高校からはより面白そうな場所がたくさんあるから
3年間で行きたいところを絞ればいいよねというのが共通認識としてできている実感があります。

彼女が選ぶ学校は第一志望のみなので、受かるかもしれませんし、及ばないかもしれません。

けれど、娘はなしとげたいことを実現するために熱中して努力して試行錯誤をしています。そして勉強を通して、この世界を構成するものに対して深い学びをしています。

主体的に考え、勉強に熱中し、点数ではなく学力をあげるために試行錯誤し、第三者の専門的な大人にかかわる。
これは彼女にとって2年間をかけたある意味「勉強の探究」だと今は思うようになりました。

勉強範囲が自主選択ではなく学校側からの指定なのでそこが決定的に違うのだけれど
小学校の勉強はあくまで自分を取り巻く世界のことを知ることが大きな目的になっているので、今後自分の興味関心の取捨選択をするための基礎知識という面では無意味ではないように思います。知らないと判断すらできないこともあります。

彼女は「中学はやりたいことをやる時間を確保するためにも、近いところがいい。放課後の自由時間を確保するんだ」と言っているので、そこはどの学校に行ってもぜひ今後実現してほしいなと思います。

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