誰でもできるロビイング入門を読んだ

前記事からの続きです。

Kindle oasisを買って、一番初めに読み切った本の記録をします。

「誰でもできるロビイング入門〜社会を変える技術〜」という本で、著者は明智カイトさんです。

まず私は、この本を読むまで“ロビイング”という単語にあまり良いイメージがありませんでした。何かに対して怒っていて、圧力をかけて自分の利益を手に入れる行動という感じに捉えていて、それより先のことを考えようとしたこともなかった。

けどこの本を読み始めてすぐに、自分の中にある”なんとなくのイメージ“をそのままにしておくのは怖いことだ、私はもっといろんなことを知って自分の中にこれまで培われた“なんとなくのイメージ“をどんどんぶっ壊して実情に即して更新していかなきゃヤバいなって思いました。

実際のロビイング(この本に書かれているもの)は、圧力というよりも政治家に寄り添い筋道を照らすようなもので、力でどうこうするというものではなくとても地道なものでした。

この本では自殺対策、病児保育と待機児童問題、いじめ対策、児童扶養手当削減、性的マイノリティのそれぞれに関するロビイングについて、実際にロビイングした人たちの文章が載っています。

正直、これまでの自分だったらどの事柄も他人事と思ってて、もしいつか他人事でなくなったとしても、それはその時にどうにか対処する(できる)と考えていた(いや、考えるのをやめていた?)。でも最近になって、これらの事柄について見聞きすると「実はどれもこれも他人事じゃなくて、全部自分の人生に起こりうることなのでは」という気持ちに変化した実感があり、ずっと心にとどまって離れない。

世界中を混乱させ続けているウイルスをきっかけに、私の考え方が変化したように思う。いつ自分や自分の周囲の人たちが感染するか分からない、自分は大丈夫と言い切れない状況がずっと続いている。予防して過ごしているつもりでも絶対大丈夫というお墨付きは誰からももらえない。そういう日々を過ごしてやっと、あらゆる問題は対岸の火事で済まされないのでは…と考えるようになった。

今、自分にできることは、自分がなんの当事者なのかを自覚して生活し、何を良いと思ったり嫌だと感じているかを”なんとなくのイメージ“だけに終わらせずに具体的にすることと、自分以外の人もみんな”なにかの当事者である“という前提を忘れずに接することだな…こう書いてみると、初めの一歩目を堂々とさらし出しているようで(まさにそうなのだけど)恥ずかしい(し、極私的な範囲での実践に留まり、なんなん感もあるでしょうが…)。

あとは自分以外の人が直面している痛みや苦しみや辛さをまるっと受け止められるようになりたい。そのために必要な知識が足りなすぎることにもぶち当たった。(なので、この本を読むきっかけをくれた方にとても感謝しています。)

例えば自分が(みんなが)得をする政治があったらそれはすごいけど、そんなことが起きるのはどういう時なんだろうか。ピンポイントで誰かが得をする政策ならあり得そうだが、それよりも、誰もなにも損わずに生きていられる政治が敷いてある社会で暮らしたい。自分もそうだけど、子供たちの時代にはまじでそうあって欲しい。あって欲しいよなあ…できることをこつこつやっていくしかない…!

この記事が参加している募集

読書感想文

パンを焼くために使わせてもらいます