きよの お江戸料理日記
江戸の時代には忌み嫌われていた双子。
大阪で双子の片割れとして、まして女の子として生まれ
外に出ることもはばかられて家で母のそばで習い覚えたことが料理だった。
綺麗な着物も、櫛やかんざしなどにも興味がない。
そんな女の子が双子の弟とともに江戸の食事処に父親の口利きで奉公にやってきた。
そこで起きる関西独特の料理に関する人々の反応が面白い。
昔の黒豆が江戸と上方では、こうも違うのかと読みながら先に先にと読み進みたくなる。
多分昔は黒豆の炊き方も上方と江戸では、こんなに違いがあったのかなあなんて思わされます。
献立の立て方にしても、あれこれと、上方の材料と江戸の材料の違い。好みの違い、そんなところを細やかに書いて面白くてなりません。
そんな気働きのできるおきよ。下ごしらえも丁寧なおきよ。そんなおきよを認めていく料理屋の人たち。いつも口数少なく下ばかり見てうつむいていたきよが、生き生きと自信を持っていくさまが、手に取るように感じられる。
女の料理人はだめだ。そう言われていたのはつい最近。
そんな時代に少しづつ認められて、生き生きと働くきよ。
そんなきよがこれからどんな人生を送るのか。
続編があればぜひ読みたい。そんな思いを抱いた本でした。
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