スマホでぽちっと。高校生もできる、デジタルなまちづくり。
どうして、まちづくりに市民参加が必要なの?
今、日本のあちこちで「市民参加型のまちづくり」を促進する動きが広がっています。きっとあなたのまちでも、よりまちづくりに興味をもってもらえるようにと、行政を中心に何かしらの試みが行われているでしょう。
ではそもそもなぜ、わたしたちはまちづくりに興味をもつことや、参加を求められているのでしょうか。
「税金を払ってるんだから充分でしょ?」
「まちづくりは行政の仕事じゃないの?」
そんな声も聞こえてきそうです。
ではちょっと、日常に視点を移してみましょう。
いつも横切る近所の公園。誰が草木の手入れをしてくれているのでしょう?いつもまとめて出しているゴミ袋。誰によってどこへ運ばれているのでしょう?
それらは行政の管理のもと、整備されていることが大半です。
では次は、視点を数十年後に移してみると…
少子高齢社会がすすみ、行政の職員も激減。行政だけではまちの管理が行き届かなくなり、行政主導のまちづくりは難しい状況になってしまいます。
草木の手入れやゴミ収集は分かりやすい例ですが、ほかにも「子育てしやすいまちづくり」「お年寄りが安心して暮らせる充実した福祉サービス」「安全な飲み水の供給」など、ふだんは意識していないところでも、まちづくりは動いています。
今は当たり前に整備されていることも、実は当たり前じゃないかもしれない。ふだんわたしたちが何気なく過ごしている日常のあらゆるところに、行政をはじめとした人の手が入っているんですね。
行政に頼らない。自分で、自分のまちを良くしていく。
なぜ市民がまちづくりに興味をもつことや、参加を求められているのか。その答えは見えてきましたか?
それは、人口減少がすすんだ未来でも、わたしたちが心地よく毎日をいきいきと過ごすための準備が必要だから。行政に頼らなくても、市民一人ひとりがまちづくりに取り組めば、住みよいまちはわたしたちの手によって創ることができるのです。
そこで疑問に思うのが、「まちづくりって何?」「どうやってまちづくりに参加できるの?」ということではないでしょうか。
例えば、地域によっては住民が週末に草刈りをしたり、まちの清掃をしたりと、自分たちで景観づくりに取り組んでいるところもあります。
それも、市民参加のひとつのかたち。
でももっと気軽に、スマホ1台で、まちづくりに参加する方法もあります。それが今回の記事でいちばんお伝えしたい、デジタルで取り組むまちづくりです。
SNS感覚で、まちづくりに参加!
そもそも今、自分のまちでどんな取り組みが進められているのか知らないという方が大半ではないでしょうか。今どんなことが課題にあがっていて、どんな施策が展開されていて、自分が払っている税金がどんなふうに使われているのか。
知る機会がないという方もいらっしゃるかと思います。
まずはそれらにタッチしてみることが、まちづくりに参加する第一歩としてぴったりかもしれません。
そのきっかけとなるのが、「Decidim(デシディム)」というオンラインツールです。
「Decidim(デシディム)」は、「市民参加のためのデジタルプラットフォーム」。バルセロナやヘルシンキなど世界中の30を超える自治体で利用されていて、オンラインで市民の意見を集めたり、まちづくりのアイデアを考えたりと、市民の声を政策につなげる役割を担っています。
そう聞くと、なんだか難しくてとっつきにくい…と思う方もいるかもしれません。でも意外と、やり方はカンタン。アカウントを作成し、興味あるプロジェクトを選択して、自分の意見を書き込むだけ(自治体によって利活用方法は異なります)。
SNS感覚で使えるツールだから、スマホやパソコンを使う人なら、だれでも気軽に始められます。
東京で、兵庫で、福島で。日本のあちこちで拡大中!
「Decidim」は、まだ多くの方にとって馴染みがないツールかと思いますが、導入事例が増えてきています。
例えば、渋谷。
https://fds.or.jp/dataconsortium_pj/decidim/
若い世代にも親しみやすいデザインで、「まちづくり」や「政治」のハードルをぐっと下げています。
それと、加古川市。
https://kakogawa.diycities.jp/
「複合施設の愛称募集」や「ICTを活用したまちづくりのアイデア募集」など、すでにいくつものプロジェクトが立ち上がっていて、いろんな意見が交されているのを誰でも見ることができます。
また、西会津町でも導入にむけて進められています。
福島県西会津町で行われた「Decidim」の勉強会のようす。加古川市役所の職員や「Decidim」の導入を促進している「一般社団法人コード・フォー・ジャパン」のメンバーが一同に会し、「Decidim」の導入にむけて議論しました。
やってみると、意外とたのしいかも?
「Decidim」を活用している加古川市では、「行政と市民がともに取り組むまちづくり」をめざしています。
行政が一方的に政策を展開するのではなく、市民の「声なき声」に耳を傾けることで、まちの本当の課題を見つけ、市民といっしょに解決策を考える。
行政のなかで完結してしまうよりも、市民を巻き込むほうが、本質的でより良いまちづくりにつながっていきそうです。
それに、もし自分の意見がまちづくりに活かされたり、自分の意見をきっかけでアイデアがふくらんでいったりしたら。
まちに対する見方そのものが変わってきて、気づけばまちづくりがたのしくなっていた、なんてことがあるかもしれません。
ここまでお読みいただいた方、いかがでしょう。まちづくりって、意外と自分にとって身近で、自分の日常につながっているものだと思いませんか?
もし興味がわいた人がいれば、ぜひ各地で導入されている「Decidim」のサイトをのぞいてみてください。あなたのまちでも、導入される日が来るかもしれません。
(そもそも、まちづくりってなんだろう…)
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