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自己肯定感警察です。全国謙虚スピード違反・取締強化月間のお知らせです。

 タイトル詐欺です。本当に申し訳ございません。自己肯定感にまったく詳しくなく自己肯定感警察を名乗るなんて本当におこがましい。ましてや人様を取り締まるだなんて滅相もございません。

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 自己肯定感は大事。大事。大事大事大事大事。そうですよね。自己肯定感がないとしんでしまいます。だって生きるって肯定できないから。時代の移り変わりに伴って、良くも悪くも既成概念がぶっ壊れてしまい、そういうことになったのですね。

 では自己肯定感を際限なく上げるとどうなってしまうのでしょうか?

 自己肯定感向上を支援するみなさん、中々これは言いませんよね。仕方ないですよね。これから上げなきゃいけないみなさんに、上がり切ったらヤバイですよ! とは言えませんよね。うん。

 だって上げるのやめちゃいますもん。


 そりゃそうですよ。まさか「これさえ上げれば助かる!」自己肯定感さんが、上げ過ぎて本人に牙をむく悪魔でもあったなんて……そんなのってひどい! あんまりですよ! 契約しなければよかった……

 おや……?

 高い自己肯定感をもって、崇高な理念をひっさげた活動のようすが……

「これ以上たたかないでください」という目でこちらを見ている!

倒しますか?


 もちろん「いいえ」です。代表さんのライフはゼロです。まったく反省の色もないので倒された方がいいのでは? という人と、実際に殴られたからその人を殴り返しに行く資格があるのでは? という例外はあるにせよ、その他大勢であるわたしたちにとって、そういうのは創作の中でだけでようございます。

 同時に、いつからか伝わる謎の日本語さんに「バカは死ななきゃ治らない」だの「バカは死んでも治らない」などと散々な言われようをしている我々ですが、実際「バカ」と判定された人が精神的に「死んでも」治らなかったよ、という話でもあるんですよね。

 わたしたちが勝手に「バカ」だと決めつけた人が、例え死んでも分かってもらえないこともあるんだよって。それって「ただ死んだだけ」なんですよ。それって死んだ意味あります?


 ありますよね。「犬死」っていう意味が……。そんなのってあんまりですよ。こんなの絶対おかしいですよ。でも、昔からいっぱい犬死してるんですよ。生命ってやつはね。大体ただ生きて、ただ死んでるだけ。困っちゃいますね。地球とか宇宙は困るっていう感情がないと思いますけど。

 それにしても当世人類としては、自己肯定感上げ過ぎの謙虚スピード違反でみんなから「バーカバーカ!」って言われて死にたくないじゃないですか。つらすぎますって。ただ自己肯定感って……思い込む力でもありますんで、こんな感じになりますね。

・ありすぎ→「わたしは絶対にただしい!」
・なさすぎ→「わたしは絶対にまちがってる!」
・中途半端→「わたしってただしい……? まちがってる……?」

 一方で、これをいい結果が出るように逆転するとこうなりますよね。

・割とある→「わたし、だいたいあってるよね」
・割とない→「わたし、まちがうこともあるよね」
・そこそこ→「あってたりまちがってたりするけど、まあいっか」

 自己肯定感という「ちから」も、ただ上げ下げすればいいってもんでもないわけですよね。うまいこと使ってこそなわけです。じゃあいつでも・どこでも・なんどでも・うまく使えんの? って言われますとそうはならんやろと。そんなのは自己肯定感警察こえて自己肯定感マスターを名乗れる人だけ。

 そう、誰もが「バカ」からは逃げられないのです。諦めるのです。

 わたしたちはなんやかんやバカであって、他人のバカを変えるのは、だいたい無理で、自分のバカを変えることはそれより可能性あるけど、変えた後に別のバカになってるだけだったりもするので。それは他人から「バカ」と言われるまで分かりませんという。こわいですね。右見て左見て。

 空想の中ではブッちぎって中指立ててもいいけれど、現実は意思疎通安全を守ってゆっくり生きていってね!! というお話。

われわれが深淵を覗くとき、深淵もまたわれわれを覗いているのだ……