デジタル庁と日本のサッカーの歩みと (2)

デジタル庁と日本のサッカーの歩みと (2)

デジタル庁の準備が加速してきた。基本テーマは、マイナンバーカードの普及と、自治体の行政情報システムの統合ないし標準化、とみえる。もちろん、それ以外にも、国の省庁の行政情報システム/サービスの統合・一元化であったり、もう少し広いスコープがあるのかもしれない。
 準備室でその議論が進むのだろうが、どこかでちゃんとパブコメしてほしい。民間人が10人、ではぜんぜん足りないし。お願いだから、省益や局益の縄張り争い、蹴り合いはやめてほしい。

 さて、日本のサッカーの場合、「頂点」にJ1リーグがあって、その参加資格は、<実力>に加えて、一定基準を満たす専用スタジアムの存在、経営力、地域のサポートなど、いくつもの項目が規定されている。発足前に、とくにヨーロッパのシステムを学習したうえで定めた項目と理解している。
 その上で、開始にあたって必要となる人気と実力を満たすうえで、地域を母体とすること、海外の超一流選手(ジーコやリネカー、リトバススキーなどなど)の招聘、などの施策が実施に移されていった。カズやラモスなどの、ブラジル組も大きかった。W杯の予選での「ドーハの悲劇」も大きかった。
 お隣の国、韓国のプロリーグは、日本よりずっと先行していた。W杯の本番大会も、連続出場していた韓国に対して、日本は1993年の「ドーハの悲劇」を経て、1997年「ジョホールバルの歓喜」でようやく本選出場を決め(その瞬間を私はスタジアムで観戦していた)、98年フランス大会に初出場、3戦全敗、ようやく日韓共同開催となった2002年に初戦引き分け、2戦目でやっと初勝利、となった。
 日本のサッカー界のここまでの歩みをみると、「不可能」と思われることを実現するだけの長期構想をもっていたことがわかる。
 で、いま言われてるデジタル化には、長期を見据える余裕はあまりないかもしれないが、しかし的確な戦略、構想力は、間違いなく必要ではないか。
 1980年代から「高度情報社会推進」、「高度情報通信ネットワーク社会推進」「世界最先端のIT国家」、「世界最先端のデジタル国家」などを、基本法まで制定して推進してきたこれまでの日本政府の取り組みの点検、検証で支えることも、おそらく不可欠だ。

 やってみたい、やってみよう。やるしかない、気がする。予断・結論をさきにもたず、虚心坦懐に丁寧に事実を拾うことが必要と思う反面、しっかりした仮説枠組みをつくっておかないと、膨大?な事実の海に溺れかねない。
 皆さんのご教示を歓迎します。

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