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閉店セール

仕事場である塾のそばの文房具店が店じまいになってしまう。推定80歳のお母さんが一人で店番をしているお店で、具体的に「何月何日に終わりです」というわけではなく、もう新たな仕入れはしないで、店の在庫が尽きたら終わりだという。

その情報を聞いてから、例年より頻度高く店を訪れては、買い物をしてきたんだけれど・・・行くたびに、買い物をするたびに、お店の終わりの日が早まるような気がして逆に悲しかった。しかし、なかなか終わりの日が来ない。閉店の情報から数か月経っても在庫がなくなっていないらしく、まだ開いているという状態も、それはそれでなんとなく悲しい。

そんなわけで、妻のマリネコさんと一緒に、できるだけ多く購入することを目的に買い物してきました。

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これで全部ではないのですが、手で持ち帰ることができる限界まで買いました。マリネコさんは、写経の紙24枚セットを買って、お母さんからおまけに小筆をもらってました。そんなの使うのかな(笑)。

お店の入ってすぐの壁側に、めったに中の商品が動かないと思われるガラスのショウケースがあるのですが、そこを初めて開けたら、レトロな文具たちがまだ生き残っていました。上の写真手前のメモリがない三角定規は、もう値段がつけられないということで、いただいちゃいました。昔の文房具は、ケースや説明書が丁寧につくってあってすごくいい。

かわいい笛だとか、レトロな寒暖計だとか。これはプレゼントとして購入。寒暖計の「みすず」の文字がキュート。

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私が一番うれしかったのは、この『数取器』。

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懐かしい! 小学生になるかならないかの頃、家に転がっていたこの器械をカチャカチャして遊んでいた記憶が蘇る。何を数えるのに使うのかはまだ決めていないんだけれど・・・

画材系が残っていたので、図工つながりの仲間にLINEで報告。文具はだいぶ減ったけど、図工系の商品が残っているよーって。

次に行ったときにあるかはわかりませんが、お母さんにはまだまだ元気でいて欲しいです。そうそう、プラスチック製だけれど将棋の駒も買いました。教室には将棋セットがなかったので、ちょうどよかったです。値札がちょっとレトロ。

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お母さんいわく、ボケ防止のために自分でもこれから将棋をやりたいそう。これとは別に、自分用に、もうちょっと良い別の木製の駒をちゃっかり取り置いているとのことでした。昭和の町の文房具屋さんには、こうやって将棋の駒がふつうに売っていたんですよね。

商品としてずっと動かず、そこにありつづけた駒たち。ベテラン木村一基さんが初の新王位についた日に、このお店でこの駒を購入したんだということをずっと記憶しておこう。

今は想像もつかないけれど、自分も店じまいをする日が来るのですね。きれいな形で終わることができるのか、わからないけれど・・・終わりの区切りの日に価値があるのではなく、ふつうの1日1日に価値があるのだと、終わりを意識して改めて思ったのでした。

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