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高原通信を読む前に

初めに

通信を書きたいとは思っているが、正直体がついていかない。伝えたいことはあるのだが、毎日の農作業で体力ゲージがほぼゼロ。そのため書く気力がない。以前に執筆し配布していた通信は、理不尽な職場で相互理解できない外国環境の中、悲惨な状況を愚痴ってそれを書くことだけが唯一のストレス発散であった。

でも今は体力的にはシンドイが、毎日新しい発見をしながら楽しく働いており、ストレスを発散する必要は全くない。
では、なぜまた通信を書くのか?

これからずっと一人で仕事やっていくのであれば、通信を書いて特別な情報を皆様に伝える必要はない。しかしながら、今回は皆様の助けを必要とし、なんなら私と一緒に働く人になっていただく方を増やしたいと思っているため、通信を再開しました。(以前配布していた通信に記載していたような、自虐的な話はほとんど出ません。私がピンチに陥ることはありますが、希望をもってお伝えする予定です)

しばらく修行中の身ですので、この高原通信はその修行中の話が中心となります。ですが、ひとたびビジネスが動き始めたら、また違った形で情報をお伝えしたいと思います。

この修行が終わり次第、老齢化と後継ぎ不在で農園を手放す農家の農園を手に入れて、生産物の品質を上げて、利益を上げて農園を再生するビジネスを始めようと思っています。そしてこの農園の維持・管理に皆様のお力を借りたいと思っています。果物作りに参加して、自然の中でストレスを発散し、田舎の生活を楽しみ、都会に戻る。そんな生活を皆様と一緒にしたいと思ってます。この通信を読んで興味を持った方は、是非新しい生活スタイルを一緒に楽しみましょう!


きっかけ

コロナがきっかけだった。ほぼ丸2年間在宅勤務。私には耐えられなかった。(個人的な性格のせいだと思う。)

コロナ禍中、ITのプロジェクトマネージャーとしてお客さんの新しいプロジェクトに入ると、初日から100%在宅勤務を命じられた。チームメンバーを紹介されるが、声しかわからない。声と名前すら一致するのにとても時間がかかった。

プロジェクトチーム内で誰が何をどの様にすすめて、誰がどのような役割でどのようなノウハウをもっていて、どのような性格だからどのような人間関係が出来上がっているのかわからない。
プロジェクトチーム以外の利害関係者が誰で、どのような性格で、どのような権力構造になっていて、自分のチームに誰がどのような影響を及ぼすのかわからない。
プロジェクト内外の状況が全てまったく掴めない。
オンラインの会議の声だけの情報では、一刻も早く知りたいこのような情報の伝わる速度がめちゃくちゃ遅い。

コロナ前までは人と直接話すことによって、どの人、どの部署、どの利害関係者、どの課題がどれだけ重要なのか、その人の話し方や表情などで無意識に理解してきた。このような情報でちょっと気になったことをすぐ対面で確認しながら進めることができないと、どうなるか。

客先企業の重要な不文律と表に出ない権力構造の暗黙の了解等を理解不足のままプロジェクトを進めることになり、オンラインでどう頑張ってもプロジェクトの進行にミスや理解不足の露呈が先行し、プロジェクトマネージャーとしての信用を早期に失ってしまう。こうなってしまうと、もうプロジェクトは容易に動かず、私のストレスだけが日々溜まっていくこととなる。

コロナ以前からよく客から無能扱いされていたが、テレワーク環境下ではそれが悪化し、もうプロジェクトマネージャーの仕事は限界だと感じていた。テレワークでお客さんの社内政治の調整事等、とてもできるもんじゃない。

あまりにもストレスが溜まりすぎて、プロジェクトが終わった後も精神状態が不安定だった。そのまま家にいても頭がおかしくなりそうだったので、行く先も決めず6日間ひたすら歩きづづけるという“ハードコア散歩”に出かけて(福島までたどり着いちゃいました)無理やり精神の安定を取り戻した。

福島から帰還後、実際に仕事を引退したら暇で暇でしょうがなかった。まったく何もやることがない。コロナのせいで海外に趣味のサーフィンには行けないからだ。日がな一日、ソファーに寝っ転がりながらTVを見ていて人生に煮詰まった頃、高校時代の友人が企業内ベンチャーとして果樹栽培を大規模に行っているのを思い出した。話を聞いた時にとても面白そうだと思ったので、この友人を訪ねて果樹栽培への参加を打診した。
「半年間はサーフィンしたいから1年間働くつもりはないけど、冬場だけ農場を手伝えないか?」と。(シャイニングの主人公のように)

とはいうものの、最初は農業に特に興味は持っていなかった。だってイメージが悪いからね。新しいライフスタイルを始めるために、ノースキルだが半年だけ働ける環境が手っ取り早く欲しかっただけだった。しかしながら農業の実際の現場を経験するうちに、どんどん興味がわいてきて、
「これこそ俺のような人間が求めていたライフスタイルであり、仕事と職場環境だ」
と思うようになった。


なぜ農業(果樹栽培Ver.)か?

“農業”というと、まず言葉のイメージが悪い。

この言葉から連想されるイメージは、低賃金、重労働、長時間労働、休みがない、腰をかがめての作業、天候に左右される収入、家族経営、泥まみれになってダサい、田舎で働く環境が窮屈‥等、今までよいイメージを持ったことは一度もない。(農家出身の方、ごめんなさい)

しかしながら、実際現地で働いてみたら、今までとは違う観点で農業を見ることができた。

忙しいのは4~5か月のみ。あとは暇
果樹栽培だと立木が基本なので、腰をかがめる必要はなく泥まみれになることもない。木の下で作業が多いので、涼しく日焼けも少ない
補助金使いたい放題。(農家は国に甘やかされている)
自分で品質を上げ、販路を開拓できれば(ふるさと納税など)農協に卸す価格の3-5倍で売れる
  ⇒ほとんどの農家が農協に卸す品質(一般の安売りスーパーに並ぶレベル)の果物を作っているので、ライバルがとても弱く、手をかけて工夫次第で売り上げは何とでもなる
保険に入れば災害が来ても前年の売り上げベースでの補償がある
今後10年間で農民の高齢化により農園を手放す農家が増える。農業法人を作ってこのような農園を手に入れ再生し、社員で作業を回していけば、各社員が半年好きなことができるライフスタイルの組織として運営可能と思われる
定年後にやることがない人には、都会と田舎の2拠点生活ができるような組織としても受け皿となりうる


果樹の中でも、なぜサクランボか?

自分で農園をやるなら単価が高く、涼しい時に働け、短期間に一気に作業できる果樹栽培はないかと探していた。
そこで目をつけたのがサクランボだった。

・単価が高い。これが一番重要。1個200円の大玉サクランボから、10円の小玉サクランボまで値付けが自由にできる。果物は自分で品質単位に売値を設定できるので、利益のコントロールがしやすいのである。(売れるかどうかは別問題だが。。。)
・忙しい時期は4~7月。つまり高原の涼しい気候の中、本格的に梅雨や暑さを迎えるまえに仕事が終わる。むしろ5月なんて晴れてても肌寒いぐらいだ。
・立ったまま作業ができる。私のような背の高い人間は、野菜作りのように長時間腰をかがめる作業は苦手である。果樹のような立木に向かって作業するのが体の負担が少ない。
・農薬使用量が少ない。サクランボは標高が高く冷涼な気候で育つため、環境的にそもそも虫が少ない。自身の健康への被害を最小限にするには、農薬の散布はできるだけ少ない方がよい。
・職場環境がよい。高原の澄んだ空気と清らかな水、森のフィトンチッドに包まれて日々仕事ができるのはとても気持ちがよい。日々農作業をしていると、iPhoneの万歩計は毎日1万歩強を示すが、たいして疲れた気にはならない。だんだん都会のオフィスの雰囲気も働き方も忘れていき、日々野生化していっている気がする。


2拠点生活ーFree”Life”Styleーを目指す

都会を本拠地として田舎で仕事をする場合、田舎での住居に困ることとなる。しかしながら、今は月定額(数万円)で全国どこでも泊まれるサービスがあるので、それを利用すれば4か月だけの拠点を持つことができる。(いろいろな住宅サブスクリプション・サービスがあるので、自分の都合の良いサービスを選ぶだけ!)今回の4か月修行のような場合や、都会から田舎に働きに来る場合に非常に便利。

涼しい高原で、春夏は田舎で仕事。寒さの厳しい秋冬は都会に戻って仕事。春夏は午前中農作業で、午後テレワーク。秋冬は都会に戻ってオフィスで仕事。このようなライフスタイルが可能な組織を目指したい。

そんな組織を維持するには、どんな果樹を、どれだけの面積で、何人でやれば一人当たり何百万の給料が取れるか。この修行を通して試算していく予定です。(そもそも可能なのかどうかわかりませんが。。。)

話は長くなったが、以上が農業を始めるきっかけとなったわけです。
実際の体験談(修行編)は高原通信にお伝えいたします。ご興味あるかたはお付き合いください。よろしくお願いいたします。

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