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ガンジス川での出会い-あなたのShantiは何ですか-


インド人女性との出会い

先日お昼ご飯を済ませた後に、一人でリシケシのガンジス川そばのベンチで読書をしていた時のこと。話しかけてきたのは50代くらいのインド人女性。自身の境遇について話をしてくれました。破れて年季の入った紙に英語と中国とスペイン語で書かれた自己紹介を見せながら、少しばかりの英語で自身の境遇について話を始めました。

3人の子供と2人の孫がいて、今は旦那さんと二人暮らし。孫をプライベートスクールに通わせるためにお金が必要なんだよねって。
ヘナアートをしながらお金を稼いでいる。

そして誰に言われることもなく、日々ガンジス川沿いに捨てられているゴミを拾っているそう。「私はこのガンジス川が好き。ガンジス川を綺麗にすること、それが私のShantiなの。」

Shantiとはサンスクリット語で心の平安を意味します。

よくよく話を聞くと彼女は子供が4人いるけれど、1人は小さい頃に亡くしている。毎日生きるのも精一杯。それでも彼女は自分の境遇を受け入れながら、今私の目に映っているガンジス川を美しく維持するべく何の見返りもなく掃除している。彼女からThis is my Shanti.と聞いた時、私は自分の心がグッと掴まれたような感覚を感じました。

もし私が彼女だったらこのセリフは言えるだろうか。きっと私は社会的に彼女よりも恵まれた環境で今を生きているけれど、心の豊かさで言えば彼女は私よりも深く大きいと思った。

私のShantiは何だろう?

別れを告げた後、ずっと私の頭の中は「私のShantiは何だろう?」でいっぱいだったけど、考えれば考えるほどよくわからなくなるので答えを探すことをやめた。

帰りの途中で立ち寄った雑貨屋さんでヨガのアーサナをまとめるノートを数冊購入したときに、またふと彼女のことを思い出したんです。あの綺麗なガンジス川を見られるのも彼女のおかげであり、彼女に感謝を伝えることが今の私のShantiだと思った。彼女の分もノートを購入して、また出会った場所を通って渡しました。

「これよかったら使ってね。」
「ありがとう。これは勉強を頑張っている孫に渡すわね。」

言葉にならない幸せの感情

後日、道を歩いていると「Hey! Japanese Madam!」と女性が声をかけてくれたんです。その後ろにいた孫の女の子は笑顔で私に恥ずかしそうに会釈をして、私が渡したノートを見せてくれたの。

その2人の姿を見た時に、物凄く私の心が満たされて幸せの感情が押し寄せたんですよね。言葉にならない感覚。

Shantiについて考え始めた時は、もっと大きな何かを見つけようとしていたけど、特別大きなことでなくてもいい。些細なことでも構わないことに気付かされました。「見返りを求めず与えること」これはそう簡単に出来ることではないと思う。この女性のおかげで大切なことを教わりました。
What is your Shanti? 


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