ひと薬
人が出会いによって、どう変化するか。
安心感が およぼす影響のようなものを
感じてもらえれば嬉しいです。
💡自分の弱いところを 人に見せれなかった
高熱が出ようと、それを誰かに見られるのは
本当にイヤだった。
それが『 今 』私は、病院へ向かう車の中で
まるで遠足にでも行くような気持ちで
助手席に座る。
💡子供のころから『 痛い 』が言えなかった
『 痛い 』と 一言でも発してしまうと
堰をきって痛みが襲ってくるのを
知っていたから。
それは単純に身体的な痛みにとどまらず、
精神的な悲しみも連れてくるのを
知っているから。
まだ 10才にも満たないころ
兄とは 10歳 はなれているから、
逆算すると 6才 か…。
少林寺拳法をならう兄は、
僕に受け身だけを教え殴りたおすのだ。
悲鳴をあげて助けをこう僕をみて、
母は笑ってた。
小学生低学年、お腹が痛くて訴えると
『 お前は、学校を休みたくて
嘘をついている 』と言われ登校すると
保健室から病院に連れていかれ
『 虫垂炎 』だと判った。
病院で母は、やっぱり笑いながら
『 ホンマやってんなぁ 』と言った。
そんな日常に、
弱音をはくと 一番つらいのは自分だと
気づいた。
32歳ぐらいだったか、腎臓に腫瘍が見つかる。
結果、ことなきを得るのたが、
この時も、誰にも頼らず1人で越えた。
その後、人生の中で、
沢山の信頼できる人達と出会う事となるが、
先のような生い立ちから、
人様に 鬱陶しい話しをするのが不得手で、
病気が治ってから
『 言うたかなぁ 』なんて切口上で、
伏せっていた事を伝えるようになった。
ある時、10年来いの後輩が、
目を潤ませ、悲しみと怒りのこもった声で、
『 僕は、あなたを心配することも
させて貰えないんですか 』と言った。
この時ばかりは、反省して、
『 これからは言います 』と約束した。
💡我慢強さ
この話しは愚痴ではない。
僕は、生まれた環境によって得た
【 我慢強さ 】という特性を
特出すべき長所だと思っている。
なので、この先も自身の弱い姿を
誰かに見せるなど考えられなかった。
💡しかし、ある人と出会い
いつしか考えは変わっていった。
その人は、
何ものでも無い私を 信頼してくれた。
強かろうが、弱かろうが、カッコ悪かろうが、
貧しかろうが、
あらゆるネガティブ要素をまとおうが、
そのままの私を そのままに受け入れる。
世の中に、そんな人間がいるなんて
想像もできなかった。
もちろん特異な人物だと思っている。
しかし本田宗一郎に、
藤沢武夫が欠かせなかったように、
人には、欠くことのできない相手というものが
居るのかも知れない。
自分が自分を見捨てなければ、
思いも寄らない出会いが、
待っているかも知れない。
人生、投げたらアカンのである。
そして心配してもらえるという事は、
恥じるような事では無いのである。
人でしか癒せない傷もある。 【 人薬 】
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