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⑦スカートの中が見えちゃった!


Sくんとのできごと以来、僕には好きとか嫌いとかよく分からないままでした。でもどちらかと言えば、好きになりたい、好かれたい対象は女の子なのかな?っていう気持ちは、なんとなく僕の中にあったんだと思います。もしくは、僕は男だから、周りの男友達と同じようにしたかっただけなのかもしれません。そして、相変わらず『男が好きな男は気持ち悪い』の意味もよく分からないままでした。


僕が通っていた学校の校庭は、おおよそ真ん中にトラック兼グラウンドがあって、それを取り囲むように遊具が並んでいました。学校の休み時間になると、僕は男だけで集まってサッカーやキックベース、バスケ、鬼ごっこなんかをしているグループにいました。なぜかと言えば、休み時間に外で遊んでる男の子たちと一緒にいれば、周りの遊具で遊んでいる女の子たちに見られるらしいと聞いたからです。


休み時間に何をするかは、いつもジャンケンで決めていました。そしてある日、鬼ごっこをすることになりました。鬼を決めたら、鬼になった人が30秒数えます。その間に隠れたり、遠くへ離れたり、みんないろんな方向に走って行きました。僕はと言うと、校庭を囲む遊具の近くにある木の後ろに隠れて様子を見ることにしました。

僕が隠れたい場所の近くには鉄棒があって、ちょうどそこには、同じクラスの女の子が3人いました。この3人はクラスの女の子の中でも、『〇〇くんが好き!』と公言してしまうくらい活発な性格の子が集まった、個人的には少し苦手なグループでした。そして、この時も「今日〇〇くんがさー」みたいな話をしていました。そして僕が彼女たちの横を通り過ぎるとき、リーダー格の女の子Yさんに急に呼び止められました。

Yさん「たいってさー、Nくんと仲良いよね?」

僕「え?まぁ…普通じゃない?」

誰かと特別仲がいいと思われるのが少し怖かった僕は、そういう風に見られないようにしていました。だから突然そんなことを言われて、意味がよく分かりませんでした。すると、

Yさん「私Nくんのことが好きなんだけど、たいからNくんに伝えてくれない?」

僕「そういうことは自分で言えばいいんじゃない?」

僕はなんでYさんの気持ちを代わりに伝えなきゃいけないのか、全く分からないので断りました。

Yさん「だってさー、直接言うの恥ずかしいんだもん!」

そう言いながらYさんは、急に勢いよく逆上がりをしました。その時、Yさんはスカートをはいていて、僕にはYさんのパンツが見えてしまいました。着地と同時にYさんは

Yさん「たいが私のパンツ見たー!変態ー!!

と言い出しました。

僕「別に見たくて見たわけじゃないよ!

一緒にいた女の子たちも笑いながら『えー!?変態ー!!』と言い出しました。僕は変態とはエッチなことをする人のことだと知っていました。そして何もしてないのに変態と言われて、恥ずかしくなって走って逃げました。でもその時、僕はSくんとのトイレであったできごとぐらい、なぜかドキドキしていました。

こうして、また僕は新しいモヤモヤを見つけてしまったんです。

『なんで女の子のパンツを見るとドキドキするんだろう…??』



僕はお気持ちだけでも十分嬉しいのです。読んでくださってありがとうございます🥰