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自己紹介⑥ 現在まで後編

自己紹介編は本日がラスト。会社設立~2020年11月までのお話。

設立にあたっての資本金は600万円。もちろん自己資金などではなく、とある伝手から借り入れをした。満を持して会社を設立したは良いものの、すべてがわからないことだらけで、当然お金もないため外注は極力頼むことができない。パンフレットや会社のロゴ製作、ホームページなど自社でできそうなことはその都度学びながら自社完結した。

次亜塩素酸水を販売するにあたり、梱包資材が必要だったため、ネットで検索して出てきた会社に片っ端から電話をかけ、梱包資材を仕入れさせてほしいとの旨を伝えた。相見積もりを取って、その中でも安価なところから仕入れをしようと考えていたのだ。しかし、どこの会社も「貴社の信用がない」との理由で断られ続けた。会社設立当初はお金よりも信用を稼げとはよく言われる言葉ではあるが、その意味を痛感した瞬間であった。

新規の取引はしてもらえないとわかったので、知り合いに片っ端から連絡をし続け、どうにか仕入れ先を見つけることができた。つながりとは面白いもので、この仕入れ先は私がアメリカに留学していた時の学校の先輩のお父さんが社長を務める会社だった。スティーブジョブズの有名なスピーチであるコネクティングドッツを実感したときだった。人脈や経験などの点がいつ線となるかは本当にわからないものだ。

また、事業を営む上でもう一つ商品を仕入れる必要があり、こちらも知人の紹介で見つけることができた。この仕入れは中国からの輸入で、当然輸入に関しての知識などはなく、勉強した。関税や国際送料を加味しても国内で仕入れるよりも安く、また品質も同等であったため、仕入れとしては成功であった。これらの仕入れに関しては設立以前の4月5月に行った。

6月1日からは準備満タンでスタートを切ろうと思いきや、会社の銀行口座だけは設立以降じゃないと開設ができなかった。しかも、開設には約1カ月かかるとのこと。悲観しても仕方がないため、私たち3人は片っ端から電話をかけ、人に会い、営業をして回った。

この商材はストックビジネスのため、最初のお客様を掴むことは難しいが、一度掴んでアフターフォローを丁寧に行えばリピートをしてもらえ、徐々に右肩上がりで売り上げは伸びる。そして幸いにもコロナウイルスの影響で、人類に除菌が習慣化しつつあったので、話を聞いてもらいやすかった。しかし、ここでまた会社の信用の問題が立ちはだかった。

弊社の1人は非常に面白い経歴を持っており、その人脈も半端じゃなく、大手企業の役員さんや市や県のお役所さんたちにも顔が利いた。その人脈を存分に発揮してもらいたかったのだが、会社の歴が浅すぎるという信用問題で大手企業はお役所は続々とアウトの回答。

また私にもその経験は多々あった。全国で200店舗ほど店舗を営んでいる会社のマネージャーを紹介してもらい営業をかけ、商品には納得がいっていたが会社の信用がないために断られた。この時、本やSNSでもよく見かける「何を買うかではなく、誰から買うか」の言葉が脳裏に過ぎった。やはり、人は経験してみて初めて学ぶのだろう。

そんなこともあり、売上は多少は上がるもののなかなか伸びることなく、結果的に4カ月で600万円もの大金を失った。もちろん私たちの生活のために努力はしたが、失敗をした。会社の運営にはどうしてもお金がかかる。事務所代、光熱費、通信費、車両保険、3人分の社会保険や人件費などで月々約100万円の固定費がかかるのだ。経費を使わずして100万円だ。会社を3年でも続けている社長さんを本当に尊敬する。この600万円を溶かしたのが9月末日のこと。

10月からは次亜塩素酸水と同時に私が4月ごろまで行っていたアパレルの仕事をすることに決め、すぐに東京へ飛び商品をかき集めた。110万円分の商品を仕入れ、見込みでは250万円ほどの売上が立ち、100万円ほどの利益が出る予定であった。そして例のオークション形式のネットで販売をはじめたのだが、突如アカウントが停止された。運営側に停止理由の開示を求めたが、開示はできないとの回答だった。これは困った。次亜塩素酸水に続き、またもや在庫だけが残って売り先がない状態に陥ったのだ。今はこの在庫の売り先探しに奔走をしているが、未だ全在庫を売り切れてはいない。

お察しの通り、私たち3人に給料を支払う余裕などなく、給料は未払いが続き、1人暮らしの家の家賃の支払いは遅れ、クレジットカードの支払いも遅れた。私は家を出ることに決め、実家に戻ることに。幸いにも事務所から実家は近くにあるため仕事に支障はきたさない。

しかし、ドラマ「リッチマン・プアウーマン」を見て社長に憧れ、お金持ちになりたくて、ペコペコしたくなくて社長になったのにも関わらず、今や多額の借金を背負い、皆に頭を下げ回っている。家も追い出された。

しかし、この状況にワクワクしている自分がいる。幸いにも一人ではなく、一緒に営む仲間もいる。株式会社New Gateが今後どうなるのかはわからないが、私は夢の実現のために来る日も来る日も行動し続け、失敗を重ねるだろう。でも、その失敗を経験に変え、成功に変える日が待ち遠しくてたまらない。人生は実におもしろい。

今後、このnoteでは経営者として、失敗者として学んだことを日々アウトプットする。どうぞよろしくお願いいたします。

まとめると、海水は高い塩分濃度を有していると思われがちだが、実は3%しか塩分が含まれていないらしい。


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