「ルビンの壺が割れた」読書感想文

この小説は、あなたの想像を超える。
結末は、絶対に誰にも言わないでください。

「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつて恋人だった女性。SNSでの邂逅から始まったぎこちないやりとりは、徐々に変容を見せ始め……。ジェットコースターのように先の読めない展開、その先に待ち受ける驚愕のラスト。覆面作家によるデビュー作にして、話題沸騰の超問題作!

”日本一の大どんでん返し”の煽りで紹介されているので、どんなものかと購入。本を読む人なら共感できると思いますが、「大どんでん返し」「驚愕のラスト」「誰も予想できない結末」系の小説が、期待を超えることってほぼないですよね。

結論から言って、この本もいい意味で期待を裏切ることはありませんでした。

そもそも、”結末は誰にも言わないで”と言っておきながら、”大どんでん返しがある”という宣伝文句は盛大なネタバレなのでは??

男女のSNSのメッセージのやり取りで物語が進んでいく往復書簡形式で、登場人物も少なめなので、読みやすさはありました。作中で時間が進み物語が展開するという形式ではなく、やり取りの中で秘密が明らかになっていく、というストーリなので、登場人物のメッセージの中に隠された違和感を感じ取れるか、がこの小説を楽しめるかどうかのポイントかと思いました。

どんでん返し系は、この違和感が作者によって故意に隠されていることが多いので(だからどんでん返しなのだと思いますが)、その作者の手の内が明かされないまま結末を迎えてしまう感じが私には合わなかったかな~

ルビンの壺が割れた(新潮文庫) Kindle版


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