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sainokuni
2022年12月8日 00:26
笠松は病棟に行ったきり、半日帰ってこなかった。美咲も他の薬剤師スタッフも自身の業務がある。笠松からの連絡、報告が薬剤部にくるのを待つしかない。美咲のピッチに救急室から連絡があったのは午後の13時すぎだった。「相沢です。…笠松くん?そっち大丈夫だったの?」笠松の疲れきった声がピッチから聞こえた。「大丈夫でした!患者さんに必要な薬剤分、無事に看護師さんにお渡し出来ましたし。あれから救
2022年12月17日 10:15
「あんなこと言われてもなぁ」渡部拓也は調剤室の柱にもたれて背中からずり落ちた。もうすぐ転職で、この薬局から自分はいなくなるっていうのに。トラブル対処は得意な方だった。元々、学生時代に飲食店で接客業はやっていたから感情的になった客をどう鎮めるかなんてお手のものだったし、トラブルが起きないように先回り対処するのも得意中の得意。でも今回起きたことはどうしようもない。「出来ることなんて