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#75 総天然色

カラーテレビがやって来る

今から40年以上前、カラーテレビが庶民の家に徐々に姿をあらわし始めて、しばらくしてから我が家にもやって来ました。「今日、カラーが来るよ!」と母に言われて朝家を出て、その日の学校からの帰り道は、いつも以上に”飛んで”帰って行きました。

”赤影”の仮面は?

小学低学年だった自分のお気に入り番組は、飛騨の忍者「仮面の忍者赤影」でした。(伊賀と甲賀以外の出身の忍者と言う設定が、とても新鮮でした。たぶん、飛騨には忍者いなかったと思いますが、、。)カラーテレビで観たら、当たり前なんですが、ちゃんと仮面とスカーフの色は「赤色」でした。ただし、それまで白黒テレビで観ていた自分の思っていた赤色とは少し違う、鮮やかな赤色でした。(記憶をたどると、緋色、スカーレットに近いかな。)今から思えば不思議なのですが、それまで白黒テレビでちゃんと登場人物の赤色を頭の中で想像しながら認識していたことです。

写真もカラーに

白黒写真もアルバムから次第に減って行き、小学4年生頃からは、天然色(カラー)がほとんどになりました。デジカメに移行した今でも白黒の写真が愛好家に好まれるのは、色情報がなくなり明暗だけの”芸術性”が評価されるためでしょうか?もしかしたら、人間の色を感じる視細胞と、明るさを感じる部分が違うために、脳で異なる処理をするためでしょうか?わかりません。

♪君は天然色♪

高校生の頃のお気に入りの大滝詠一さんの「君は天然色」は、ポラロイド写真の中の女の子の、♪モノクロームな想い出に色を点(つ)けてく~れぇ~♪と歌っています。カラーと言わずに”天然色”と表現するあたりが松本隆さんの言葉を操るテクニックかと思います。実際は、実物の色合いを人工的に再現した”人工色”なんですが、それを言ったら”味気(あじけ)”ないものになってしまいます。(そういえば、もう天然色という言葉をここ何十年か聞いていないです。大滝さんのCD以外では。)

夢の色は?

「カラー、それとも白黒?」朝起きて覚えている夢の世界、私は白黒です。カラーは見た記憶がありません。但し、色や手触り暖かさは、”ハッキリ覚えて”います。夢の記憶として。

これからの若者が見る夢の色は、何色でしょうか? 当然そこは迷わず、カラーで”バラ色”でしょう。そうであらねば困ります。我々が見させてもらった現実と同じ”色々な楽しい世界”を見せてあげるのが大人の務めかと思っています。 さぁ、明日月曜日からも頑張りましょう。

(写真:米国ボストンで購入した、テーブル上に敷くマット。ロブスターの食べ方の手順が書いてあります。これで予習してからLeagalSeaFoodのお店に行っても、いつも自分流でしか食べれなかったのが懐かしい。)