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#230 「褒め方」処方箋?

単に褒めれば良い訳でない

 心理学者C.ミューラーとC.デュエックの子供の褒め方による反応の違いを見る実験結果が、いくつかのサイトに紹介されていて興味深いです。

「成果」ではなく「努力」を褒める

 子どもの努力を褒めると,より難しい問題にチャレンジする気持ちを持ち,成績も上がるという結果が得られたとのこと.全てのお子さんにこの結果が当てはまるかは分かりませんが,成長過程での「褒め方」はその後の人生にかなり影響を与える気がします.
 ちなみに私は,子どもの時にあまり褒められた記憶がありません.自分の子ども時代を振り返ると,親が忙しく働いているのを見ていて、「子供は勉強するのがし仕事」と言われると、(そういうものなんだ)と疑問に思わず、宿題を家で勉強していた記憶があります。親の頑張っている姿を見たら、子供のも自分できっと何か感じ取って行動すると思います。

勉強が楽しくなったキッカケ

 きっと誰でも、何かを好きになる時、ほんの小さなキッカケがあると思います。音楽やスポーツ、時には勉強にも。私の場合は、小学4年生の担任の先生の一言でした。通知表を長期休みの前に渡す時に、クラスみんなの前で褒めてくれたんです。当時の通知表は3段階でした。
「この中で二重丸が三つも増えたのが一人いる。伊藤くんだ。」
これを言われて、それまでクラスであまり勉強ができる方でなかった自分が、みんなの前で褒められとても嬉しかったのを、今でもよく覚えています。それがきっかけで、「やれば勉強はできる」という、当たり前のことが実感できて自分から好きな科目は図書館で本を調べたり、復習以外にも時々教科書を読み返したり、何より自宅に転がっていた父親の工業高校の化学の本などを理屈がわからないまま一通り眺めていました。小学生の理科の授業で覚えた言葉(例えば”イオン化傾向”など)を先生に言うと、周りから「なんでそんなこと知っとんのおぅー?」などと言われて内心喜んでいたりました。最初は、実に単純なものです。なんせ小学生ですから(笑)
 ちなみに、後でクラスの他の子に聞いたら、自分より成績が良い子がたくさんいました。先生は、前回の通知表と比べて、一番成績が上昇した私をみんなの前で褒めてくれたのでした。パソコンなどを使う前の時代の話ですから、クラス全体の成績とその変化が担任の先生の頭に入っていたのだと思います。

親として「どうやって褒めるか?」

 今の時代は、書籍に加えてインターネット上に情報が溢れています。相手も人間、自分も人間ですから、万人に効く「処方箋」はおそらくありません。状況に合わせて選ぶ必要があると思います。

まずは「褒められる親」に自分がなることが大切

 子どもたちは、大人たち(特に親)をよく見ています。自分のことを一生懸命思って行動してくれていると思えれば、きっとそれほど褒めなくても自ら何かをすると思います。それが親の思う事でない事だとしても。

と言うのは簡単ですが,実際には難しいです.私自身,とても他人と比べて「褒められる親」ではありません.

メッセージ

 自分の子供の頃を思い返しながら、幾つかの「褒め方」に関する書籍やウェブを眺めていると、時々違和感を覚える時があります。(なんか、違うなぁー、そうかなぁー)

「褒め過ぎより、自分が一所懸命に生きて、それを隠さず子供に見せて、子供の考えを聞きながら見ながら、時々「良い」タイミングで声をかければ良いんじゃないの?」

と言う自分の声が頭の中で聞こえてきます。
 このメッセージが、世界中のサンタさんの友達である子育て中の親御さんたちに伝わると良いなぁと思う 12月24日 です.