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#76 図書館のコピー機

今から40年ほど前、私の小学生の頃の宿題は算数の計算や漢字の書取りの他に、今の小学生の宿題と少し違うスタイルのものがありました。

「サイコロを振って確率を実験で求める」

算数で確率を習った時、「家でサイコロを振って1から6の目が出た回数を記録して、それぞれの確率を計算してください。」という宿題がありました。何回ふれば良いか分からなかったので、友達と一緒に実験をしました。一人がサイコロをひたすら振って、もう一人が方眼用紙に「正」の字を書く担当に分かれ実験して次の授業で報告したら、クラスの誰よりもたくさんサイコロを振って、総数で割るとすべての目が出る確率が正解の1/6に一番近かったのを覚えています。

「社会科の調べもの」

社会科の勉強では、データを集めることが「宿題」のメインだったと思います。普通、小学校の図書館で調べて資料が無ければそこで「勉強」は終わりでした。私は、市立図書館まで自転車に乗って、小学校に無い辞典や資料集、過去何年もの新聞記事を調べに行きました。国連機関の統計データなどをノートに書き写して社会の時間に先生に指名されて答えたら、クラスの他のみんなは、「どこにそんなデータがあったの?」と驚いていました。市立図書館は小学校区から離れた場所にあったので、遠くまで調べに行ったのは私だけでした。

コピー機がやって来た

ある日、社会の調べ物に市立図書館に着いたら、受付カウンター横に、「コピー機、一枚50円」という張り紙がありました。それまで、テレビで電子複写機(コピー機)というものが新しくできたのは知っていましたが、それを実際に使ったのはその日が初めてでした。(当時の50円は、今の二倍くらい?の価値があったかな??)コピー機が来てからの社会の調べ物は、全く別物になりました。本を探すだけで、あとは一瞬で”ページ丸写し”ができてしまいます。ただし、自分の手で書き写していないので、あまり自分の頭の中に記憶として残らなくなりました。世界地図や大きな統計情報、歴史上の勇名人物など、コピー機が来るまでは全部”手でノートに書き写し”ていました。それが、一枚50円で一瞬に”出来上がり”です。

これからの勉強

「図書館のコピー機」の次にやって来たのは、「インターネットの情報検索サイト」です。今の勉強は、情報の検索や記憶から、情報の分析の比重が大きくなりつつある気がします。どの方向に進むのでしょうか?それも考えながら、新しい時代に新しい方法を、従来の方法とうまくブレンドしながら進むのでしょうね。40年以上前の小学生だった55歳の推測です。