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#183 黙黙食(モグモグしょく)

 新しい漢字と読みを提案します。コロナ禍で、新しくできた漢字、どうせならいい感じ(かんじ)にしませんか?(多分、誰にも使ってもらえないけれど、勝手な提案です。)  

「黙食」?

 「モクショク」?初めて聞いた時、漢字が頭に浮かびませんでした。「ダマショク」と読むのなら、”黙って食べる”が頭に浮かぶ気がします(本当?)。

「黙読」は無理がないけれど、、、

 声を出しながら本を読むことを、「音読」と言います。一方声を出さない、黙って読む「黙読」は”自然な動作”で、本を二人以上で楽しみながら読むという場面があまりないので、わざわざ「黙読」と言わないのが普通です。二人以上の場面で、無理がない「黙読」に対して、「黙食」はかなり無理があります。

人の進化で獲得した食習慣

 弱い存在だった人の祖先が、ジャングルから平原に二足歩行で歩み始めてから、「群れ」で互いを助け合いながら共同生活するのは、人の生きるための必須アイテムでした。自分の家族以外に食料を与えたり、一人だけで生きるには必要のない無駄な文字・言葉・歌・楽器・祭り・踊り・ユニフォームなどなど、群れを維持するための”仕掛け”をたくさん作り上げました。「みんなで一緒にご飯を食べる」というのは、実はとても大切だと思います。これは当たり前過ぎて、「一人で食べればいい」という論調が色々と聞こえることが多いのが、最近気になります。(進化の過程を猛烈に逆走している気がします。人は弱く、独りでは生きて行けないのに、、、。)

「孤食」?

 新型コロナ禍の前から耳にしていた寂しい言葉。「孤独な食事」? 「黙食」の漢字を目にした時、「孤食がパワーアップした寂しい食事」?と思いました。

「黙黙サロン」

 久しぶりに髪を切りにに行ったら、店内に追加の張り紙が。「愛想がない訳ではありません。お客様の新型コロナ感染防止のために、”黙黙サロン”にご協力いただきありがとうございます。」 (おぅーっ、コレだコレ!)”黙サロン”ではなく、”黙黙サロン” (語呂がいい、リズムがいい。、まるで魔法のランプから煙がモクモク出てくるようで楽しい、、、)

「黙」より「黙黙」、「モク」より「モグモグ」

 ”黙黙サロン”があるなら、”黙黙食堂”もあってのいいのでは?どうせなら、「モグモグ」の方が美味しそう。独りで食べるときは本来「黙」なので、二人以上の時だけ「黙」であることを表すなら「黙黙」の方が、見た目もわかりやすい。「孤色」は寂しいけれど、コロナ禍では意外とOKな食べ方にも思えてきます。

 いつかきっと、またみんなで「ワイワイ食」ができる日が戻ってくると思っています(信じています)。それまでは、マスクを外す食事中ぐらいは、グッと堪えて黙って「モグモグ食」を頑張りたいなと思った、髪を切った土曜日でした。

(写真:楽しかったみんなで食べたハレの日の食事。美味かった、楽しかった、嬉しかった日の思い出の一枚。)