「また今度」を封印して。24ヶ国を旅して出会ったおいしいごはんとおやつ
旅先でごはんを食べるのがこわい。
ここまで言うと少し大げさかもしれないけれど、実際のところ本音でもあります。
というのも、昔ドイツに行った時に2週間で4キロ太った経験があるから。
ドイツはイメージ通り、ソーセージとビールが定番メニューで、高校生だったわたしはビールこそ飲めなかったものの、お肉と炭水化物祭りの食事で見事に脂肪を身につけました。
ホームステイ先でたっぷりよそられる手作りのごはん(とってもおいしかった!)を失礼のないように断る英語力が無かったこともあり、普段の1.5〜2倍くらいのカロリーを摂取していたはず。
帰国して早々、出迎えてくれた両親から「丸くなった?」と言われて、青ざめたのでした。
ドイツをきっかけにすっかり海外にハマってしまったけれど、それ以降は「英語を勉強したい!」と同じくらい「太りたくない!」という強い気持ちを持って、旅に出ることになります。
その強い気持ちが功を奏し(?)、実際それ以降、フィリピンに1ヶ月行こうが、イギリスに2ヶ月行こうが、はたまたオーストラリアで10ヶ月過ごそうが、体重が変わることはほとんどありませんでした。
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旅をしていると、その土地の名物や、日本では見かけない珍しい料理に出会います。
そんな魅力的な誘惑をどう我慢しているかって?
「また今度」と自分に言い聞かせているのです。次に腹ペコな時に出会ったら、その時食べればいいと。
旅先では「せっかくだから」が口癖になりがちだけれど、こと食べ物においては「また今度」と呟くようにしていたのです。
でも、今現在進行形で続けている2ヶ月半のヨーロッパ旅の中で少しずつ気持ちが変化してきました。
基本的にはホテル生活なので、どこに何を食べに行くかをセットで毎日お題のように考えます。日本より物価が高い国も多いので、お財布とも相談しながらさらに慎重に。
そうして選んだお店の食事がおいしいと、本当に幸せな気持ちになるのです。
「このスープ、感動だね。毎日通いたいくらい」
「どの料理もおいしい!もう1品頼んでみようかな」
「日本に帰ってからも作ってみたいな」
そんな会話を友人としながら、おいしい"だけ"で、その日1日の満足感がぐっと上がることを実感しました。
旅をして、疲れることもあれば、旅とは全く関係のないところで、悲しい思いをすることもあったけれど、友人と食べたいものを食べて、話したいことを話していたら、いつのまにか元気に回復しています。
これまでダイエットを気にして、なるべく食に関心を持たないようにしていたけれど、今では旅先のおいしいごはんを食べることが日々の楽しみになりました。
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そんなわけで、前置きが長くなってしまったけれど、わたしはこのヨーロッパ旅で、久しぶりに心置きなく食べたいものを食べて、おいしいものにたくさん出会うことができました。
この夏24ヶ国を巡ったなかで、特に印象に残っているとっておきのごはんとおやつをご紹介します。
🇫🇮フィンランド・ヘルシンキの「サーモンクリームスープ」
新鮮な魚介が多く、基本的に何を食べてもおいしかった北欧。
中でもフィンランドの首都ヘルシンキで食べた、サーモンクリームスープは絶品でした。脂の乗ったサーモンのコクを存分に味わうことができます。
わたしたちは、ガイドブックに載っていたお店「Restaurant Sea Horse」を訪れましたが、ローカルなマーケットでも気軽に食べることができるそう。ぜひいろいろなお店で試してみてほしいです。
🇸🇪スウェーデン・ストックホルムの「魚介スープ」
マーケットの地下という決して目立つ場所にあるわけではないのに、行列が絶えないストックホルムの人気店「Kaijsas Fisk」。
見た目はシンプルなトマトスープに見えますが、中にはゴロゴロ海鮮が入っていて、魚介の出汁がたっぷり。感動レベルの美味しさで、行列の理由に納得しました。
🇩🇰デンマーク・コペンハーゲンの「カルダモンロール」
デンマーク在住の友人が教えてくれたベーカリー「Juno the bakery」の看板メニュー、カルダモンロール。
日本ではシナモンロールが有名ですが、北欧ではカレー粉の原料のひとつでもあるスパイス「カルダモン」を使ったカルダモンロールも定番だそう。
ふわふわなパンから、カルダモンの良い香りが。幸せになれる味でした。
🇦🇹オーストリア・ウィーンの「ホイリゲ」
食事ではないですが、忘れられないのが、オーストリアの「ホイリゲ」。
「ホイリゲ」とは、1年未満のワインの新酒のことで、それを提供するワイン酒場もそう呼ばれています。
家族経営で運営されているホイリゲは、アットホームな雰囲気で居心地抜群。中庭で、手作りのお惣菜と一緒に飲んだ白ワインが最高でした!
🇭🇺ハンガリー・ブタペストの「グヤーシュ」
ハンガリーは何を食べてもおいしかったですが、特に心に残っているのはブタペストの人気レストラン「Menza」の料理。
牛肉とパプリカや玉ねぎなどの野菜を煮込んで作るハンガリー発祥のスープ「グヤーシュ」をはじめ、前菜からデザートに至るまで最高でした!
🇵🇹ポルトガル・リスボンの「エッグタルト」
ポルトガルの伝統的なスイーツ、「パステル・デ・ナタ」。いわゆるエッグタルトです。
1837年から続く伝統的なお店「パスティシュ・デ・ベレン(Pastéis de Belém)」に行ってきました。
サクサクのパイ生地に、温かくてトロッとしたカスタードクリームがたっぷりと入っていて絶品。今まで食べたエッグタルトの中で1番おいしかったです!
🇬🇧イギリス・ロンドンの「スコーン」
コーヒーより紅茶派なので、イギリスのアフタヌーンティーが大好き。スコーンがおいしいと評判の「THE Muffin Man Tea Shop」に行きました。
トーストされているので、よりバターの風味が感じられておいしい!クロテッドクリームとストロベリージャムをたっぷり乗せていただきました。
🇳🇱オランダ・アムステルダムの「アップルタルト」
オランダの伝統なお菓子「アップルタルト」。日本人がイメージするそれとは少し異なり、「りんごのケーキ」という方がしっくりきます。
アムステルダムのいろいろなカフェで食べることができますが、「Winkel43」のアップルタルトは格別だそう。
おやつの時間に訪れたら満席だったので、日を改めて夕方頃に訪れたら、すんなりテラス席に座ることができました。
しっとりとした生地には、大きめのりんごがゴロゴロ入っていて、とってもおいしい!ホイップクリームと一緒にいただきます。
ボリュームたっぷりなので、2人で1個でも十分。シードル(りんごのお酒)も頼んで、幸せな時間を味わいました。
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「渋谷でおすすめの定食屋さん」とかではないから、気軽に行けないかもしれないけれど。「あっ、そういえばここに行ったら、食べたいものがある」というのは、立派な目的になり得るし、毎日を少し楽しくさせてくれるはずだから。
今日も世界のおいしい!に出会うために、腹ペコになるまで歩き回りたいと思います。
▼この小説を片手に旅をしました。旅行気分を味わいながら、世界のおいしいものに出会えます。
▼ロンドンのおすすめはこちら🇬🇧